バレー柳田将洋が実践「勝負所で緊張しない」コツ 日本代表前主将のプレッシャーを力にする思考
プレッシャーを「日常化」させる
僕はプレッシャーを日常化させてしまい、いい意味で感じないようにしています。プレッシャーを感じない人はいませんから、とても必要な能力だと思います。
海外でプレーするようになってから、日々の練習をプレッシャーに感じることがあります。試合に勝つためには要求し合うことも必要なので、練習のときから他人のプレーに対して指摘をしたり、強い要求をしたりする人がいるからです。
それでも喧嘩になるのではなく、言い合うことでお互いの信頼関係を保つことにもつながっています。試合でセッターからアタッカーにトスが上がってくるかどうかは、練習で決まるのです。だからこそ、日々の練習からプレッシャーを感じるようになりました。
2019~20シーズンはフランクフルト(ドイツ)でプレーしましたが、トスが上がってくる時とこない時の差は顕著でした。フランクフルトは強豪チームで、勝ち負けに対してシビアな選手が揃っていたからだと思います。ただ、一度トスが上がるようになってくると、どの試合でもまんべんなく上がってくるのです。
僕が気にしていたのは、「25点マッチの20点以降でトスが集まってくるか」というところです。 20点以降は、1ポイントがダイレクトにそのセットの勝敗に直結することもありますから、決めてくれる選手にトスを上げたいというのが自然な心理です。言い換えれば、そこでトスが上がってくることこそ信頼の証。「ここぞの1本」が自分のところにくるかこないかに重きを置いていました。
そのためには、自分の得意な形をチームメイトに見せていて、チームメイトがそれを把握していることが重要です。あとは、練習中の態度から「できる」ということをコートで出していかなければなりません。不安そうな態度は伝播するので、見せないように心がけています。
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