そして、その少数派の男性たちは、アラフォー女性を結婚対象者には見ておらず、もっと年の若い層と結婚をしたがっている。そんな中で50歳を過ぎて、「子どもが欲しい」と思っている男性たちが、こうしたアラフォー女性に目を向けて申し込みをかけるのだが、彼女たちの多くが50過ぎの男性には見向きもしない。
アラフォーのバリキャリ女性は、とても結婚しづらいというのが、これまでの結婚相談所の不文律だった。
しかし、今のアラフォーたちが20代のときに考えなかった結婚に、今の20代女性たちは、目を向け始めている。若いうちに結婚をして、さらに自分のキャリアアップを図りたいと思う人たちが出てきているのだ。時代の流れとともに、人生設計の仕方も変わってきているのだろう。
結婚してもキャリアは磨きたい
25歳の奈津美(仮名)が入会面談にやってきたのは、昨年秋のことだった。実は奈津美は、約2年半前に私の相談所で成婚退会をした瑞穂(仮名、当時25歳)の会社の後輩で、彼女の紹介でやってきた。
2人が勤めているのは、大手上場企業で、2人とも男性と互角に働ける総合職のバリキャリだった。そして、2人に共通しているのは、「仕事だけに没頭するのではなく、キャリアを積みながらも、結婚と出産を30前にはしておきたい」という人生設計だった。
面談に来たとき、奈津美が言った。
「入社した同期が100人。うち女性が25人いて、その中で総合職につけたのは私ともう1人だけでした。せっかく会社から与えてもらったチャンスなので、キャリアを積みたいと思いました。そのためには20代で地方支社に役職付きで数年勤務して、本社に戻ってくるのが順当なんです。もちろん、会社が私を選んでくれるかどうかはわからないことなのですが、もしできたとしたら、戻ってこれるのが30手前になってしまう。そこから婚活したら、今よりも婚活が厳しくなる。ならば今結婚をして、20代は仕事のキャリアを積むことに重きを置いて、30手前で出産できたらいいなと思ったんです」
今後のキャリア形成は、理想どおりになるかどうなるかわからなかったが、結婚だけは早いうちにしておいたほうがいいとは考えていた。そして、この話を25歳で結婚をした先輩の瑞穂にしたようだった。
すると、瑞穂が言った。
「早く結婚したいなら、結婚相談所に入ったら? 私は、25歳のときに相談所で今の夫と出会って結婚をしたの」
ほどなくして瑞穂から、「後輩が面談に行くと思うので、よろしくお願いします」という連絡が入った。また、そのLINEには、「これから産休に入り、来年はママになります」という言葉も添えられていた。
奈津美の婚活がスタートした。婚活市場の25歳は、いくらでもお見合いが組める。申し込みも、毎日驚くほどきた。
しかし、奈津美は、相手選びも堅実だった。男性の年収に高望みするようなところがなく、女性が働くことを認めてくれるような男性を選んでいた。また、今の婚活市場では、50人、60人、多い人では、100人、200人と見合いする人もいるのだが、彼女は約4カ月間のうちに10人と見合いをし、9人目の相手、孝之(仮名、34歳)との結婚を決めた。
奈津美は、自身の婚活をこう振り返った。
「交際に入って、印象に残っているのは孝之さんを除いて2人いました。1人は、いちばん最初に見合いした竹中さん(仮名、28歳)でした」
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