日経平均株価が上昇するのは一体いつになるのか 外国の証券会社の日本株への姿勢はジワリ変化
筆者がこの業界に入った1970年には、すでに地場筋では一般的に使われていた。日経平均予想EPSとはそういうもので、「アナリスト頭」で小難しく考えるものではない。
事実、4月28日まで1300円台だった予想EPSは、2021年3月期決算発表が出始めると5月12日には1685円まで上げている。そして、その日ソフトバンクGの決算発表があったわけだが、翌13日のEPSは1950円と、一気に265円跳ね上がっている。
この差額の265円はソフトバンクGだけのものではないが、百歩下がってソフトバンクGだけだと考えても、その後も日経平均予想EPSは水準を上げ続け、利益は確実に積み上がっている。
「低迷相場」を吹き飛ばすのは、結局「企業業績」
一方、景気回復を評価して上がっていた商船三井が決算発表後、さらに連続して大幅高となったのは、前期配当150円を過去最高の550円にする増配政策と、連結純利益が前期比3.7倍となる上方修正に反応したものだった。異論の余地のない「問答無用の決算」だった。
さらに、世界的機関投資家であるアメリカのブラックロックは7月に出した年央のリポートで、世界の景気回復が下半期の日本企業の業績を引き上げるとして、日本株の投資判断を「アンダーウエート」から「中立」に引き上げた。
ゴールドマン・サックス証券も7月30日のリポートで、今後3カ月の日本株についてオーバーウエートとの認識を示した。さらにシティグループも8月4日、マイナス1.2%前後となっている米実質10年債利回りが年内に約70ベーシスポイント(0.7%)上昇すると予測し、アメリカ株の投資判断をニュートラルに「引き下げ」、逆に日本株についてはオーバーウエートに「引き上げ」た。
日本企業の4~6月期決算発表は今週でほぼ終わる。だが、前述の商船三井のような異論のない決算を出して相場に活を入れる銘柄が出るか。東証業種別指数の中の海運のように、強含みの展開からさらに急騰する業種はあるだろうか。
少なくとも現在のチャートの形を見ると、その条件を持っているのは商社を含む「卸売業」と、半導体関連を含む「電気機器」、トヨタ自動車を含む輸送用機器ということになる。「不動産も再び」との意見もあるが、2月の信用期日が終わる秋以降にその時を期待する。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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