「歯ぎしりは朝起きたときに、アゴの疲れを感じやすいのですが、寝ているときだけでなく、集中してパソコン作業を行うなどデスクワークをしている最中に、姿勢が悪かったり、頬杖をついていたり、食いしばりを行うことで、顎の疲れや痛みを感じる人も増えています」(遠藤院長)
あご疲れの状態を放置していると、歯ぎしりや食いしばりは解消されないまま、顎関節や筋肉がダメージを受け続ける。顎関節が変形して、口が思うように開けなくなってしまう人もいるそうだ。こうなると、歯科で「顎関節症」と診断される。ただし、歯ぎしりや食いしばりが原因でのアゴ疲れの状態は、それほどではなくても、歯そのものがボロボロになる人もいる。
歯の神経もむき出しに!?
「歯の表面は、固いエナメル質で覆われています。とても固いために、60キログラムの圧力がかかっても壊れない構造ですが、歯ぎしりのように、エナメル質同士を強い力ですり合わせ続けると、エナメル質が破壊されてしますのです」(遠藤院長)
エナメル質の下は、柔らかい象牙質で覆われ、その奥には神経がある。エナメル質が破壊されると、象牙質もあっという間に壊れ、歯の神経がむき出しになって激痛が走る。中には、歯ぎしりによって、奥歯の全て、神経がむき出しの状態になった人もいるから、たかが歯ぎしりと侮れない。
「症状によっては、神経を取り除かなければなりません。そうなると、歯へのダメージは大きい。歯は親知らずを含めて上下で32本ありますが、近年、あごが小さくて歯が生えそろわず、下の歯は本来16本のところ、12本しかないという人もいます。そもそも歯の本数が少ないのに、歯ぎしりや食いしばりでダメージを受けないようにしていただきたいと思います」(遠藤院長)
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