「健康維持にプロテイン」は逆に体壊す医学的理由 タンパク質の過剰摂取が引き起こす大問題

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十分に足りているアミノ酸は、筋肉や皮膚などの細胞をつくり直すことに使われ、余った分はプールされます。ただし、アミノ酸プールは、一定量だけをためておくようにできており、それ以上に余ったアミノ酸は、腎臓で尿素窒素などに分解され尿として体外に出てきます。

ここで、プロテインやアミノ酸という高濃度のタンパク質を摂取すれば、いったい何が起きるでしょう。アミノ酸プールはどんどんあふれ、分解作業を強いられる腎臓に過度な負担がかかりっぱなしになるわけです。あえて、体を壊すようなものを摂取するのはやめましょう。

(画像提供:KADOKAWA)

腎臓を守るうえでは肥満も大敵

肥満は、2型糖尿病や高血圧、心筋梗塞、脳卒中の重要因子であると同時に、腎臓を守るうえでも大敵です。太ることで、すでに起きている慢性腎臓病を悪化させるだけでなく、新たに腎臓病を発症しやすくなることがわかっています。

今ではすっかり知られるようになった「メタボリックシンドローム(症候群)」は、高血圧、高血糖、高コレステロール、高中性脂肪、内臓肥満などが複数起きている状態ですが、これら5つの要素のうち3つあると、腎臓病を発症する割合が1.6倍に上がります。さらに、4つあると2.5倍、5つなら3.2倍と、リスクが跳ね上がっていくのです。

また、BMI(肥満度を判断する国際的指数)が高い人は、標準範囲内の人に比べ、透析を必要とするような末期腎不全になる確率が大きく上がります。具体的には、BMIが30~34.9だと3.6倍に、35~39.9で6倍に、40以上ともなると7倍にアップします。

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