「妻の高学歴を自慢に思える夫」の幸せを呼ぶ思考 「補いあえる夫婦」関係はこうして生まれる

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心配性かつ「キツい性格」だと自認している春香さん。だからこそ、おっとりしていて真面目な大輔さんとの相性がいいようだ。

「私は怒りのエネルギーを抑えられないことがあると両親から言われています。職場でも『それは違うやろ!』とか大きな声で言ってしまったり……。夫は医療系の施設勤務で、私よりはるかに大変なことがあるはずなのに、仕事でも生活でも腹が立つことはないそうです」

夫婦は「ニコイチ」で

大輔さんも結婚直前に転職をしている。前職は過酷な労働条件の工場だった。時間に追われながら黙々と作業をしなければならない。今は、助けが必要な患者に優しく忍耐強く向き合うことが求められる。天職だ、と感じているらしい。

結婚の条件からは外していたが、春香さんには少し気になる点があった。学歴だ。自分は努力をして関西地方の有名私立大学に入った。しかし、交際相手にそれが知られると卑屈な態度を取られることがあったからだ。

「私が勉強して入学したんだから放っておいてほしい、うるせーよ、と思っていました。でも、専門学校卒の夫は私の学歴が自慢のようです。誇らしい奥さんだと思ってくれているみたい。こんな男性がいるんだと新鮮に感じています。とにかく夫は毎日が楽しそうです」

大輔さんは「天職」に巡り合い、やりがいを持って働いている。ならば春香さんの学歴をやっかむ必要などはなく、むしろ自分にはないものを持ってくれていると嬉しくなるのだろう。言いたいことははっきりと言える春香さんの性格も大輔さんは心強く思っているに違いない。

自分ができることで社会に貢献しつつ配偶者を支えられている自信があれば、相手の優れたところは自分を補ってくれるありがたい長所だと思える。コンプレックスを感じる必要はない。夫婦は「ニコイチ」でいいのだ。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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