7月16日、中国の新興EV(電気自動車)メーカーの小鵬汽車(シャオペン)と同社董事長(会長に相当)の何小鹏氏個人が共同出資したスタートアップ企業が、人を乗せて飛行する「空飛ぶクルマ」の新機種を発表。同時に試験飛行の映像も公開した。
「より広範かつ安全に利用できる空飛ぶクルマに、われわれはまた一歩近づいた」。何小鹏氏は同日、(中国版ツイッターと呼ばれる)ミニブログの微博(ウェイボー)にそう投稿した。
このスタートアップ企業は匯天航空航天科技(小鵬匯天)という社名で、2020年12月2日に設立された。創業者の趙徳力氏が董事兼総経理(取締役社長に相当)を、何小鹏氏が董事長を担っている。
今回発表した「旅航車X2」は、民生用の小型ドローンを巨大化させたような外観で、対称に配置された8つのプロペラを電気モーターで駆動して飛行する。なお財新記者の取材に対して、小鵬匯天は「旅航車X2はまだ量産段階にはない」と説明した。
中国で2番目に空飛ぶクルマに参入
小鵬匯天によれば、旅航車X2は2人乗りで、航続可能時間は35分、飛行高度は300~500メートル、最高速度は時速130キロメートルに達するという。飛行モードは自動操縦と手動操縦を自由に切り替えることができる。また、将来は(モーター故障時などに機体を軟着陸させるために)独自開発した機体用パラシュートも搭載する予定だ。
空飛ぶクルマとは、一般的には人を乗せて垂直離着陸が可能な電動の飛行機械を指す。多数のプロペラやダクテッドファン(訳注:円筒形のダクト内でプロペラを回転させることで推進力を向上させる装置)を駆動して飛行し、理論的には従来型のヘリコプターよりコストが安いとされる。
小鵬匯天は中国で2番目に空飛ぶクルマに参入した企業であり、2020年9月26日に中国最大級の自動車展示会である北京国際モーターショーで初号機の「旅航者T1」を披露した。この機種は2人乗りで、飛行モードは手動操縦のみ、飛行高度は2~25メートルと発表していた。
なお、空飛ぶクルマに最初に参入した中国企業は億航智能(イーハン)だ。最新モデルの「EHang216」は、対称に配置された16のプロペラを駆動して飛行する。その飛行モードは(自動操縦と手動操縦を切り替えられる旅航車X2と異なり)自動操縦のみであり、あらかじめプログラムされた飛行ルートどおりにしか移動できない。
(財新記者:方祖望)
※原文の配信は7月16日
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