「東京五輪レジェンド4人」メダルよりも凄い名言 体操・内村、ソフト・上野らのコメントから学ぶ
自ら「報われない努力もある」と語れるのは、ここまでの努力に自信があることの証でしょう。それをインタビュアーなどの他人に言わせてねぎらわれるのではなく、自ら語ったことにトップとしての自負を感じさせられました。その上で、「だから体操は面白い」「人生にはこういう失敗も大切」と続けることで、「自分の失敗を通して気づきを得てもらえたら」というメッセージを感じさせたのです。
さらに内村さんは、「代表が決まってから強い気持ちでやってきたつもりでしたけど、ホントに“つもり”だったのかなっていう……」「変にすっきりはしてますけど。でも、これまで準備してきたものを出せなかったのは本当に『悔しい』しかないです」と語りました。
競技終了直後であり、話しながら気持ちの整理をしている様子がわかるのではないでしょうか。自分の感覚を「“つもり”だったのでは?」と疑ってみたり、「話にならないほどの失敗ですっきりしている」と自虐的になったり、隠しきれない悔しさを率直に明かしたり。「今後の参考にしてほしい」と、まるで自分をサンプルとして後輩たちに差し出しているようなコメントに、キャプテンとしての責任がにじんでいたのです。
即効性の高い言葉で後輩を発奮させた
内村さんの後輩に向けたコメントは、まだまだ続きます。「代表選考をともに戦った米倉(英信さん)に土下座して謝りたいですね。本当にそんな気持ちです」と自分を責めつつ、出場できずに悔しい思いをした後輩を慮りました。
また、ミスの原因を尋ねられたときも、「試合は練習でやってきたことしか出ないんで。でも『練習でミスしたことない』ってところを踏まえると、『もうちょっと努力できたんじゃないかな』とも思ったり。でもミスしたことがないところでミスしたんで、『逆に面白いな』とも思っています」と語りました。これも「後輩が同じ失敗をしないように」という気づかいが感じられるコメントです。
内村さんは最後に、「僕はもう主役じゃないんで。団体の4人と決勝に残っている亀山(耕平さん)が主役ですね。オリンピックは今まで僕は2連覇していますけど、やっぱり過去のことだし、彼らたちが超えていかないといかないところだと思うんで、それを『今日(団体予選1位通過で)見させてもらった』って感じですね。凄いよかったです」と後輩を思うコメントで締めくくりました。
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