「東京五輪レジェンド4人」メダルよりも凄い名言 体操・内村、ソフト・上野らのコメントから学ぶ

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自分の実績をきっぱり「過去のこと」と明言できるビジネスパーソンはどれだけいるでしょうか。内村さんはそこにしがみつくのではなく、「自分を超えてほしい」と即効性の高いフレーズで言い切ることで、後輩たちの発奮を促していました。

実際に内村さんの結果を見て、コメントを聞いた後輩たちは、「航平さんほどの選手が努力を重ねたにもかかわらず、ショッキングな結末を迎えることがある」「オリンピックは何が起きるかわからない」と実感させられ、全員が気を引き締めたそうです。

さらに内村さんからエースの座を引き継いだ橋本大輝さんは、「僕が金メダルを取って、航平さんの首にかけたい。最高にいちばんきれいな色を、最高にいちばん似合う人に。そう思っています」と頼もしいコメントを語っていました。体操の日本代表チームに限らずこういう関係性の築ける組織は、全体のパフォーマンスを大きく下げることはないのです。

上野由岐子が語るメンタルの重要性

次にソフトボールのレジェンド・上野由岐子さんは試合後に、どんな思いで決勝に挑んだかを聞かれて、「これが“自分が背負っているもの”だと思っていましたし、このマウンドに立つために13年間いろいろな思いをしてここまで来られたと思います。そういう意味では『投げられなくなるまで絶対投げてやる』という思いで先発マウンドに立ちました」と語りました。

これは「『“自分が背負っているもの”=日本代表を金メダルに導くことを成し遂げたい』という強い気持ちがあったから13年間やってこられた」という素直な思いによるものでしょう。言い換えると、「どんなにスキルがあっても、それを生かすメンタルを強化しておかなければ生かせない」ということであり、「スキルばかりを磨こうとする人は成功を収められない」というビジネスパーソンにも通じる意味があるのです。

ただソフトボールは次回のオリンピックから再び競技から除外されることが決定しています。だからこそ上野さんは今回の金メダルについて、「13年という年月を経て『最後まで諦めなければ夢はかなう』ということを、たくさんの方々に伝えられたと思います。ソフトボールはまた次回からなくなってしまいますが、『また諦めることなく前に進んでいけたら』と思っています」とコメントしました。

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