野村ホールディングスのエコノミスト、シャノン・ブーンノッチ氏(シンガポール在勤)は、「タイは東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でGDP成長率が21年、22年ともに最も低いことが予想され、同地域では回復が遅れる国だとみている」と指摘。 「われわれの見通しは22年第3四半期までに経済生産が新型コロナ危機前の水準に回復しないことを示している。これはASEAN諸国の中で最も遅い回復で、外国人観光客への依存度が高いことが一因だ」と説明した。
新型コロナのデルタ変異株感染拡大で公衆衛生制度が崩壊する恐れがあるため、タイ経済の半分余りを占める首都バンコクと12県では、先週からロックダウン(都市封鎖)と夜間外出禁止が実施されている。タイ銀行(中央銀行)は先週、新型コロナ感染拡大を現行の対応策で抑制することができず、年内いっぱい感染拡大が続く場合、今年のGDPを最大2ポイント引き下げる可能性があると指摘していた。
経済危機と医療崩壊の恐れに直面するタイでは、政情不安も高まっている。バンコクでは、6月24日以降さまざまな団体がほぼ毎日集会を開催するなど、半年ぶりに民主化を求める抗議活動が活発化している。
原題:Thailand Risks First Double-Dip Recession Since 1998 Crisis (1)(抜粋)
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著者:Suttinee (Ying) Yuvejwattana
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