複業の第一歩に「3か月ごとの趣味」がいい理由 強みも、やりたいことも、これからつくればいい

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もちろん、毎日違うことに挑戦しなければいけないわけではありません。新しくブログに挑戦するなら、「毎日20分、ブログの記事を書く」でもいいのです。それを2、3カ月続けてください。これまでの人生の中で経験のないこと、試したことのない切り口に挑戦するのです。

それは、仕事を派生させる形でも構いません。例えば、ウェブマーケティングの仕事をしている人が、これまで扱ったことのない業界のマーケティングを違う切り口で試してみるのも新しいチャレンジです。

その過程では、「試してみたけれど、自分に合わない」と気づくこともありますが、むしろそれが重要です。それに気づいたら次のことを始めればいいだけです。だから、2カ月あるいは3カ月など、自分なりに期間を区切って挑戦するのがいいでしょう。

自分の「強み探し」でNGなこと

ここで注意点があります。

それは「少しだけ試してやめてしまう」こと。やると決めたら、ある程度の期間を続けなければ、正しい判断はできないからです。成果が出なくても気にすることはありません。

うまくいかないときは「成功しない法則を見つけた」と考えればいいのです。

私自身、新しいことに挑戦してうまくいかなかったことは山ほどあります。例えばインスタグラム。3カ月ほど続けてみましたが、自分は写真で表現するのは向いておらず、Facebookを使って文章で表現するほうが得意であることがわかりました。

仕事でも同じです。毎日同じことを繰り返す仕事は、自分には合わないことに気づきました。実際に伊藤忠商事に就職した当時、最初の2年間は配属された部や課の経理業務を任されました。とても学びのある仕事でしたので一生懸命取り組みましたが、ずっと続けたいとは思えませんでした。

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それよりも自分には、新規ビジネスを開拓するほうが合っていると実感しました。

ただそれは、部や課の経理業務を経験したからこそわかったことです。やってみなければわかりません。自分には合わないかもしれないと思っていても、一度は騙されたと思ってやってみることも重要です。

いかがでしょう。

今から新しいことを始めても遅くはありません。

マッチングサイトでは、「仕事」といっても、マーケティングやプログラミングといった高度な専門知識を求められるものだけではありません。

・人間関係の悩みを聞いてほしい
・SNSで使うプロフィール用の写真を撮ってほしい
・動画の切り抜きをしてほしい
・勉強が苦手な子どもに勉強を教えてほしい

といった意外なニーズもあります。

ぜひ、ご自分の適性を把握し、得意なことや好きなことを「強み」にして複業を楽しんでください。

江端 浩人
えばた ひろと / Hiroto Ebata

ニューヨーク・マンハッタン五番街生まれ。スタンフォード大学経営大学院修了、経営学修士(MBA)取得。伊藤忠商事の宇宙・情報部門、ITベンチャーの創業を経て、日本コカ・ コーラでiマーケティングバイスプレジデント、日本マイクロソフト業務執行役員セントラルマーケティング本部長、アイ・エム・ジェイ執行役員CMO、ディー・エヌ・エー(DeNA)執行役員メディア統括部長、MERY副社長などを歴任。現在はエバーパークLLC、江端浩人事務所代表として各種企業のDXやCDOシェアリング、次世代デジタル人材の育成に尽力。 メンバー7500名の次世代マーケティングプラットフォーム研究会主宰。iU情報経営イノベーション専門職大学教授に就任。

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