「スケボー女子」若年化が進んだ背景にあるもの 「レジェンド」が見たオリピック決勝の風景

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日本の開心那(ひらきここな)は12歳(オリンピックの数週間後に13歳になる)だが、彼女が大好きな選手は、イギリスのスカイ・ブラウン(13)と日本の岡本碧優(おかもとみすぐ、15)だ。

とくにブラウンはスタートの準備ができているようだ。彼女はイギリス人の父と日本人の母を持つ活発な少女で、主に日本で育ち、現在はカリフォルニアに住んでいる。彼女の笑顔は、3カ国以上の国々でファンを獲得することになるだろう。

彼女は「女の子たちを元気にしたい」と5月のインタビューで語っていた。「世界中の人々がオリンピックを見ているので、人々を元気づけるのに最適な場だと思います」。

進化し続けるスケボー

それこそがサブローンが語っていた変化だ。ここ有明アーバンスポーツパークでは、すでに新世代の若い女性が他者を元気にする可能性を持っていることを認識していた。メダルが獲得され、お手本ができる。このサイクルは繰り返されるようになっているのだ。スケートボードは順調に前進していくだろう。

日本の国歌が演奏され、3人の若いメダリストが表彰台の上に立っている間、サブローンは背後に控えていた。彼女たちの姿は世界中に放映された。

サブローンは、名門コロンビア大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の学位を持つ建築家であり、職業というよりも趣味として、傍で競い合ったすばらしいスケートボードの才能を持つ人の1人だ。彼女は、今回のメダリストの金、銀2人が誕生して間もない、2009年に最初のエックスゲームズを獲得した。彼女はそのときすでに23歳で、西矢とレアウより10歳年上だった。

サブローンはこれまで、好奇心あふれる余興からオリンピックに至るまで、女子スケートボードの経緯を観察してきた。過去の大会なら自分が手にしたであろうメダルを首から下げ、この最大規模の競技大会で自分を打ち負かしたようなスケートボード選手のために、行く手の障害を取り除くことに力を貸してきた。そして、その声色には満足感が感じられた。

「私は34歳です。そして、スケートボードに飛び乗り、まさに今、とんでもない13歳に打ち負かされました」と彼女は決勝についてこう語る。

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