テスラの「欧州進出」を全力で拒むドイツの勢力 シリコンバレー流の高速経営を阻む欧州の伏兵

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移動作業は夏の終わりまでに完了させることになっているが、厄介なことにこれらのヘビはこのトカゲを捕食して生きている。したがって環境保護団体は、まずトカゲを移動させて新たな生息地に適応させてから、ヘビを移動させるよう要求している。

テスラを訴えている環境保護団体は、工場計画を中止に追い込めるとはみていない。しかし、テスラが近道して手抜きするのは阻止する構えであり、これまでのところ同社が伐採できる木の本数を減らすことに成功している。

「何もかもテスラのスピードでやらせるわけにはいかない」とNABUのブランデンブルク地域代表クリスティアーネ・シュレーダー氏は言う。

テスラはまだ、強力なドイツの労働組合や、労働組合に有利なドイツの法律と本格的に対峙しなければならない状況には追い込まれていないが、今後はそうしたリスクも覚悟しなくてはならない。

テスラは現地世論に無関心?

地元政治家は、完全にテスラ側だ。テスラの進出によって1万人を超える雇用がもたらされるとの見通しを掲げ、取引業者や近隣の店、地元企業も含めると、さらに数千人単位の雇用が生まれると訴えている。

ブランデンブルク州のイェルク・シュタインバッハ経済相は、グリューンハイデにテスラの工場を誘致した1人で、その政治生命は工場計画の成否にかかっている。テスラの工場建設に反対している人々についてシュタインバッハ氏は次のように語った。「反対派の声は大きいが、人数は少ない」。

そのシュタインバッハ氏も、現地の世論に対するテスラの無関心ぶりには不快感を示している。テスラが地元民とほとんどコミュニケーションをとろうとしないため、自分がしばしばテスラの代弁者のように振る舞わなければならなくなっていると不満たらたらだ。「何度も言っているように、私はテスラの広報担当ではない」。

計画の遅れには、テスラが自ら引き起こしたものもある。当局者によれば、テスラは建設許可申請を少なくとも15回修正しており、そのたびに暫定的な承認が必要になったという。

(執筆:Christopher F. Schuetze記者、Jack Ewing記者)
(C)2021 The New York Times News Services

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