人気テレビドラマに見る「SDGs」ブームの超進化 「恋はDeepに」「おかえりモネ」など大豊作

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このように3つの別々のドラマで、当たり前のようにさりげなくSDGsのテーマが取り上げられたことに時代の流れを感じます。

もともと日本は、地球温暖化対策や森林・海洋保全などグローバルな社会課題の解決に決して前向きな国ではありませんでした。日本の産業界はSDGsに取り組んではいましたが、事業活動の一部をSDGsで“お色直ししている”、といった企業も多く見られ、経営の中核と位置付けている企業はごく一握りでした。

それが昨年10月の菅首相の「2050年に温室効果ガスゼロ」宣言を受けて、一気に流れが変わり、次々に2050年ゼロを発表する企業が相次いでいます。また国内外の機関投資家たちの厳しい視線も相まって、温暖化対策をはじめ、森林保全や海洋保全などの他のSDGsにも真剣に取り組む企業が増えつつあります。

社会問題を取り上げにくかった民放が変わった

従来、民間テレビ放送はスポンサーの意向に配慮する必要があって、なかなか社会課題を取り上げにくい業界でした。当のスポンサー企業が温暖化対策に熱心でなかったり、森林認証製品を取り扱っていなかったら、ドラマの中でも取り上げられにくいからです。

しかしスポンサー企業自体がSDGsを前面に打ち出す時代になり、その姿勢の変化を敏感にとらえ、テレビドラマのテーマも変わってきた、というのがより現実に近い分析かもしれません。しかし何より時代の流れで、SDGsに配慮することがスマートでかっこいいこと、という雰囲気が特に若者の間で醸成されてきたことが反映されているのではないかと思います。

「環境保全などSDGsに取り組むことはかっこいい」。環境問題に関心のない層にもこういった社会課題が浸透する手段としても、テレビドラマの今後に期待したいと思います。

小西 雅子 WWFジャパン 専門ディレクター

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こにし・まさこ

2006年WWFジャパン入局、専門は環境エネルギー政策。18年昭和女子大学特命教授。22年京都大学大学院特任教授。ハーバード大学修士。博士(公共政策学・法政大学)。

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