元出前館会長が語る「デリバリー大乱戦」の前途 「日本市場は未成熟、プレーヤーはまだ増える」
出前館やUber Eatsもまだ、先行者メリットを享受する段階にはない。出前館の加盟店数は7.4万店(2021年5月末時点)だが、地方の消費者が利用するには10万店を超えないといけない。
外食業界は、グローバルで競争してきた製造業などとは対照的に、ガラパゴス的な成長をしてきた。海外の飲食店はコロナ前から、イートイン、デリバリー、テイクアウトの3本柱で収益を上げるのが普通だったが、日本は違う。おいしさやおもてなしへのこだわりが強いがゆえに、イートイン一辺倒だった。
コロナで飲食店数は正常な状態になる
かつて出前館を飲食店に提案した時も、「店を離れる間の数十分間で食品が劣化するのではないか」などの抵抗があり、思った以上に導入までのハードルが高かった。それがコロナ禍で変わった。20年かけてじわじわと広げてきたものが、たった数カ月でガッと広がった。
店内飲食主体の飲食店が苦戦しているの対し、従来テイクアウトやデリバリーに力を入れていたマクドナルドやケンタッキーはコロナ禍でも増収増益を続けている。イートイン一本足打法ではダメだというのは結果が示している。
――コロナ禍を経て、日本の外食業界はどう変わるとお考えですか。
コロナ前から日本の飲食店の数は多く、飽和状態にあった。日本の飲食店の適正店舗数は40~50万店程度だと思うが、今は約60万店もある。コロナという厳しい状況下で再編は進まざるをえないだろう。
飲食店の数が多いと、価格競争になり低価格化が進む傾向にある。それは消費者にとってよいことかもしれないが、事業者からすれば儲からない商売ともいえる。飽和状態にある飲食店数がコロナを機に正常な状態になることで、適正な利益を上げられるようになるのではないか。
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