元出前館会長が語る「デリバリー大乱戦」の前途 「日本市場は未成熟、プレーヤーはまだ増える」

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――配達手数料などがかかるデリバリーサービスを活用するのは、利益率の低い飲食店だと難しいという声もあります。

それはやり方次第だ。

例えば吉野家の場合、(出前館導入当初)店舗では380円の牛丼(並)をデリバリーだと570円で売っていた。その差額には「注文者のもとに料理を持って行く付加価値」が含まれている。

導入前は、店舗で働く従業員から「そんな高い値段では売れない」という声もあったようだが、吉野家の店舗に入りづらいという女性客や、外出できない子育て世帯を取り込むことができた。結果としてはよく売れたし、店内飲食よりも利益が出た。

日本は未成熟でおいしい市場

配達件数を増やせば効率も良くなり、コストを抑えられるということは、グローバルですでに実証されている。日本だと1時間あたりの配達件数は2件程度で、まだまだ配達件数が足りない。中国では1時間に5件以上の配達ができており、配達料も(1件当たり)100円程度に抑えられている。

海外で実績を持つ黒船企業からすれば、未成熟な日本はおいしい市場だ。中国の大手プレーヤーもまだ日本には進出していないし、今後さらにプレーヤーが増える可能性だってある。

――とはいえ、プレーヤーが増える中で各社がクーポンのバラマキやCMの乱発にコストを多くかけている現状は、消耗戦となっているようにも見えます。

そんなことはない。確かに足元では1位、2位を取るためのプレーヤー間の競争が激しくなっている。ただ、おそらく数年ほど経てば、デリバリー市場のトップ2が確定し、競争も落ち着くはずだ。

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