ぶっちぎりで上昇した海運株の今後はどうなるか 日経平均株価の上昇確率は以前より高まった
4つの論点は以下の通りだ。
① これまで述べてきたポジティブな要因が今後も継続するのか
② スエズ運河の座礁事故による運賃高騰は一時的で終わるのか?
③ 現状の船不足はいつ解消されるのか(2022年以降、新船造船により船不足が解消されるのか。あるいは古船を廃棄して新船に乗り換える「リプレイス需要がどれだけあるのか?)
④ 「米中冷戦激化」による船舶貿易の低迷リスク(頭の片隅に置く必要がある中期的なリスク)はどれだけあるのか
これらを参考に、読者の方々にぜひお考えいただきたい。
なぜ日本株はつい最近まで米株に比べ出遅れたのか
さて、最後に国内株のマーケット全体にも触れておこう。年初からアメリカ株に比べて出遅れといわれていた日本株だが、私は「出遅れではなく、構造的な理由等もある」と分析してきた。
ここで6月~7月9日までの株式相場を振り返ってみよう。残念ながら日米の代表的な指数である日経平均と二ューヨークダウとの騰落率を見ると「格差」はまったく縮まっていない。日経平均同様、動きの鈍かったナスダックも、5月末までは「おつきあい」をしてくれたが、6月以降は大きく水をあけられた。
この理由は主に以下の7つだ。①アメリカの長期金利低下、②日銀のETF買い縮小(日経平均FTFは買わず、値がさ株が重い)、③新型コロナのワクチン接種の遅れ(感染率は低いが、世界的にデルタ・インド株拡大、オリンピックや夏休みなどでの人流増加懸念)、④緊急事態宣言の効果不透明、⑤東芝のガバナンス問題(日本企業全体の問題として認識された)、⑥米中冷戦による地政学的リスク(中国IT企業の中国政府の規制強化によるアメリカ市場への上場減少など)、⑦7月8日・9日のETF分配金支払いに伴う約7000億円の株式売却(2日間合計、金額は推定)などだ。
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