日経平均株価は「3月に売れ」だったかもしれない

すでに「セル・イン・メイ」では遅かったかも?

「5月に売れ」は有名な相場格言だが、意外に元々の意味を間違って覚えている人も多い。本当の意味は? 今年は当てはまるのか?(写真:gandhi/PIXTA)

日経平均株価はアメリカのインフレ懸念が引き金となり、5月11日から13日までに2000円以上も急落した。10日の終値2万9518円を起点として3日間の下落幅はなんと2070円、率にすると約7.0%の急落となった。その後はやや戻しているが、マーケットは、今年もウォール街の相場格言「セル・イン・メイ(Sell in May、5月に売れ)」を意識し始めたのだろうか。

毎年5月になると、メディアでこの相場格言の関連記事を本当によく目にする。今年も同様だ。例えば日本経済新聞「スクランブル」でのコラム「『5月の波乱』警戒じわり」(4月21日)や「5月より「6月に売れ」?」(5月7日)、「『5月に売れ』は終わりか」(5月15日)などが代表的だ。そこで今回は株式市場ではあまりにも有名な相場格言について、わかりやすく解説したい。

プロも「本当の意味」を勘違いしている?

実は、相場に長年携わっている人やプロでも、この格言の意味を勘違いしている人が意外と多いように感じる。「株は5月に売れ」だから、①「5月に株価は下がる」、②「株価が下がるなら先に売り逃げしたほうがいい(いつ買うかは不明)」と考えている人も少なくないようだ。

では、本当に「5月に株価は下がる」のだろうか。実際に過去のデータを検証してみよう。1990年(平成2年)1月以降、2020年12月までの過去31年における「5月」の日経平均株価の上昇と下落をまとめた結果は以下のとおりだ。5月の騰落は上昇16回、下落15回(16勝15敗)となり、上昇確率は51.6%。つまり、むしろ「やや上昇」との結果だった。ちなみに6月は「上昇18回、下落13回」(18勝13敗)となっている。

このように、過去のデータからは5月に株価が下落しやすいという明確な傾向はみられなかった。ちなみに、アメリカのNYダウ平均株価にいたっては、株価が上昇する場合が多いのだ。

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