日経平均株価は「3月に売れ」だったかもしれない すでに「セル・イン・メイ」では遅かったかも?

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ここまでご説明すると、「5月は株価が下落するから売れ」は勘違いの意味だったことがわかるだろう。つまりこの格言は、アメリカ株が6月から9月までは軟調な展開になりやすいというアノマリー(相場の経験則)に由来するものだ。明確な理論で説明できないものの、夏場は休暇を取る投資家が多くなり、相場が閑散としやすい、などとも解説される。

最近では日本株市場もアメリカの株式市場と連動する傾向が強く、海外投資家の売りが日本株にも影響を与えることなどから、毎年5月になると注目されている。

「5月売り、9月買い」は、かなり当たっている!?

実は私自身「5月売り、9月買い」は、かなりの確度で当たっているアノマリー(相場の経験則)だと肌感覚でも感じている。では「5月に高値をつけて9~10月が安値になっていた」という感覚はどこから来るのだろうか。

本当に日経平均株価は5月高値(売り)で9月安値(買い)なのか? 再度、条件も同じ期間で1990(平成2)年以降の過去31年のデータを検証して調べてみる。

なお、1990年以降にするのはいわゆる「平成バブル崩壊後」の失われた30年相場に限定するためだが、それはこの期間は限られた範囲(レンジ)で上下するボックス相場だったため、上げ下げのサイクル判定がしやすいというのも理由の一つだ。加えて、私が証券会社に入社したのが1989年(平成元年)なので、1990年(平成2年)以降はこの目で見てきた株式市場、というのもある。

さて1990年1月以降、2020年12月までの過去31年間における月次(1~12月)の日経平均株価の平均騰落率の結果はどうだろうか。果たして「5月は売り、9月は買い」は正しいのだろうか?

次ページ1年の流れで見てみると・・・
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