日経平均株価は「3月に売れ」だったかもしれない すでに「セル・イン・メイ」では遅かったかも?

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ならば「セル・イン・メイ」の意味ってあるのか? 意味ないじゃん」と思うはずだ。実はこの格言には続きがあるのをご存知だろうか。諸説あるが、次のように続く、とされている。

「Sell in May and go away, and come back on St Leger Day.」
訳すと「5月に(株を)売って去りなさい。そしてセント・レジャー・デイに戻って来なさい」という意味になる。

ちなみに、「セント・レジャー・デイ(St Leger Day)」とは、英国のドンカスター競馬場で毎年9月第2土曜日に行われる競馬レース「セントレジャーステークス(St Leger Stakes)」が開催される日のことだ。同レースは、1776年に18世紀のスポーツ愛好家であったアンソニー・セントレジャー陸軍中将によって創設された世界最古のクラシック競走で、昨年2020年の大会で第244回目を迎えているほど歴史が長い。

競馬好きならご存じかもしれないが、この競争は3歳馬のみが出走できる、英国のクラシック3冠および牝馬クラシック3冠の最終戦。長距離適性を審査する競馬の競走。実は日本の菊花賞のモデルだそうだ。

では、本来の意味とは、どういうものか。まとめると以下のようになる。

①(株高の)5月(春)に売れ、②(株式市場の盛り上がらない)6~8月(夏)は何もするな、③9月第2土曜日以降(秋)に株を買え

つまり「セル・イン・メイ」の続きまで考慮したフルバージョンの格言は「5月に売って9月に買え(買い直せ)」という意味になるので、「株価は5月が高値、9月が安値」ということになる。

次ページなぜ「5月売り、9月買い」という相場格言は注目なのか?
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