2021年の「丑年相場」は相場格言通りつまずく? 「辛丑(かのとうし)」の「辛」のほうにも注目

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2021年の60年前の辛丑(かのとうし)は1961年。この年の1月20日、J・F・ケネディ大統領の就任式が行われた(AP/アフロ)

まずは足元の日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)を確認しよう。2020年の日経平均株価は、2018年の1月23日高値2万4129円、同年10月2日高値2万4448円、そして2020年の1月17日高値2万4115円という「2万4000円台の複数の節目」をついにブレイク(上抜け)した。

先に結論を言えば、2021年1~6月のレンジは上値3万円~下値2万4000円、同7~12月のレンジは同2万7000円~同2万4000円を予想する。

年明け後の今後の注目点は、1月20日のアメリカ大統領就任前後における政治イベントや同国の財政政策の行方などであり、やはりアメリカの政治経済に左右されそうだ。日経平均が2万8000円を突破するには、TOPIXが2018年1月23日の高値1911を上抜けてくることがひとつのポイントだ。

日本株にとっての短期的なリスクとは?

さてこれらのレンジを予想する理由は、前回のコラム「日経平均が来年2万8000円になる条件とは何か」でも書いたとおりで、基本的には変わっていない。

つまり、現在のマーケット参加者は、EPS(1株当たり利益)水準の低さや高PER(株価収益率)では割高と見ているかもしれない。だが、それ以上に、「コロナを克服する、(遅くても)数年後の業績」をイメージするようにスタンスが強気に変わっているからだ。

ただ、日本株にとっての短期的なリスク要因は、世界的なコロナ感染拡大(ロックダウンによる経済封鎖、死亡者の拡大)によって世界景気が低迷することなどだ。債券市場ではアメリカの長期金利上昇、為替はアメリカのジョー・バイデン次期政権の「ドル安(円高)政策」などに注意したい。また同国の株式市場にはもちろん引き続き注意。マーケットには絶対はなく、リスク要因を見極めながら、しっかりと相場に挑みたい。

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