「韓国人は日本人が大嫌い」と信じる人の勘違い 東京在住38歳韓国人と話してわかった日韓の今

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私が「韓国人は熱しやすく冷めやすいのでは?」と聞くと、パクさんは「そうかもしれませんね。でも、忘れっぽいっていうことだと、日本人も同じじゃないですか。戦前の韓国統治のこととか、すっかり忘れてますからね」と言ってかすかに笑いました。

「そんなに日本人が嫌いではないですよ」

それを受けて私が「やっぱり韓国人は、日本人のことを憎んでいるんですか?」と聞くと、「人によるし、世代によりますね。でも、中国人よりも日本人のほうが好きという人が多く、そんなに日本人が嫌いではないですよ」という答えでした。

「戦前の日本の統治や戦後の朝鮮動乱を経験している70代以上の世代は、日本人に強い敵愾心を持っています。彼らに育てられた今の40代から60代は、日本人のことを好きではありませんが、敵意までは持っていません。私のように30代より下の世代は、ほとんど気にしていないのですが、人から尋ねられたら『嫌い』と言わないとちょっとまずいかな、という雰囲気は残っています」

また、ビジネスの競争相手としても日本人を強く意識しているようです。

「大半の韓国人にとって、日本人は色んな点で最も気になる存在ですね。中国人よりもアメリカ人よりも。ビジネスでは日本を最大の競争相手と考えていますし、日本の文化には強く憧れています。日本・日本人への関心は高く、私も韓国に住む知人から日本での就職や日本人との結婚についてしょっちゅう人生相談を受けています」

最後に、今回パクさんとお話しした中で最も印象に残ったコメント。

「日本人はネトウヨみたいな韓国人ヘイトの人ばかりかと思って怖かったですが、来てみたら日常ではまったくそんなことはない。一方、韓国でも日本人に敵意剥き出しって人を探すのはたいへんなくらいです。外交のニュースやネット掲示板などを見ると、日本と韓国は今にも国交断絶しそうな勢いですが、あれってなんなんでしょうかね」

日本と韓国は、歴史的に深いつながりのある隣国で、自由主義陣営の同盟国です。好きでも嫌いでも、国際情勢が変わっても、今後も切っても切れない関係であり続けることでしょう。日韓には歴史問題などさまざまな難題があり、良い関係を築くのは容易ではありませんが、少なくとも国民のレベルではお互いを知り合い、仲良く付き合いたいものです。

日沖 健 経営コンサルタント

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ひおき たけし / Takeshi Hioki

日沖コンサルティング事務所代表。1965年、愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。日本石油(現・ENEOS)で社長室、財務部、シンガポール現地法人、IR室などに勤務し、2002年より現職。著書に『変革するマネジメント』(千倉書房)、『歴史でわかる!リーダーの器』(産業能率大学出版部)など多数。

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