「韓国人は日本人が大嫌い」と信じる人の勘違い 東京在住38歳韓国人と話してわかった日韓の今
日本でも東京一極集中が指摘されて久しいですが、京都大学が京都府に、トヨタが愛知県にあるように、そこまで東京オンリーではありません。パクさんは、「私も3年間ソウル近郊に住んだことがありますが、いまの東京の暮らしのほうがいろいろな面ではるかに快適です。ソウルに戻るのはちょっとお断りですね」と言いました。
ただし、ジェンダーに関しては韓国のほうが進んでいて、「女性にとっては、韓国のほうが暮らしやすいかもしれませんね」とのことでした。儒教の影響で年長の男性が尊重されるというイメージが強い韓国ですが、いまどき男尊女卑の男性は絶対に結婚できません。深刻な結婚事情を反映して、韓国の家庭では女性の発言権がどんどん強まっています。
朴槿恵大統領が誕生したことを挙げて、私が「政治の世界でも、韓国のほうが女性の活躍が進んでいますね」というと、パクさんは「まあ日本との比較ではそうなるんでしょうけど、欧米諸国と比べると目くそ鼻くそ(パクさんは日本語が流暢)です」と答えました。
韓国人は日本人をどう見ているか?
続いて、「韓国人は日本人をどう見ているのか」というちょっと微妙なことをパクさんに聞いてみました。
まず、日本人と韓国人の似ているところ。「世間体や面子、他者からの評価を重んじるところは、かなり似ているのではないでしょうか」という見解でした。日本人が世間体や面子を気にするのはたしかにその通りですが、韓国人も負けず劣らずということのようです。
「韓国人は、進学でも就職でも、何を勉強したいか、どういう仕事をしたいかよりも、まわりの人にどう思われるかを気にします。韓国人は主要国で最も自殺者が多いわけですが、経済的な理由は少なく、友達から悪口を言われた、名誉・プライドを傷つけられた、といった理由であっさり自殺しますね」
逆に、日本人と韓国人で違っているところ。「韓国人は正しい・間違い、好き・嫌い、敵・見方と、ものごとを2つに割り切ろうとします。それに対し日本人は、どちらでもない、という曖昧な部分を常に残そうとする印象です」
その例としてパクさんは、大統領・首相への政権支持率を挙げました。「朴槿恵前大統領は、汚職によって国民の信任を失い、政権末期には支持率がなんと4%になりました。一方、安倍前首相や菅首相はあれだけスキャンダルや失政だらけでもかなりの支持率を維持しています。韓国だったら、一度ダメという評価になったら、再起不能になるまでとことん叩きのめされます」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら