国際的な金融規制強化、経済危機に拍車をかける副作用の面を軽視するな

6月末、カナダで金融サミット(主要20カ国・地域首脳会議)が開催される。主要議題は「金融規制の国際的な調和」だ。調和と言えば温和な響きがあるものの、現実に金融サミットで目指す「調和」のテンションは、はたしてどうか。ちなみに最近、各国で議論され、打ち出されている数々の規制内容は決して温和ではない。厳しい規制ばかりだ。

金融規制が各国マチマチでは国際資本移動などに歪みを来す。国際金融市場、各国の金融・資本市場は混乱しかねない。したがって、整合性を図るために「国際的な調和」という発想が浮上したと言える。

今回、金融サミットにおける議論は極めて重要である。反面、懸念も大きい。すでに欧米間では、水面下で金融規制の主導権争いが激化。アメリカでオバマ政権が銀行改革法案成立を急ぎ、5月中に同法案の上院通過を実現したのも、「6月の金融サミットにおける主導権確保のためにも、自国の体制を堅固にしておく必要があったから」と言う。

規制に潜む副作用

そうした中で、今回の金融サミットを契機に金融規制競争的な動きが強まり、金融規制が厳しい内容にさらに引き上げられていくというプロセスが生じかねない。

世界経済は金融危機が解消せず、そのうえにギリシャ発の財政・経済危機が深刻の度を強めている。国際金融市場では再び、流動性危機、信用収縮の亡霊が徘徊し始めた。そこに、厳しい金融規制の導入となれば、かえって流動性危機に拍車がかかり、経済危機はステージを切り上げ、世界各地に伝播しかねない。

欧米諸国が打ち出した金融規制を見ると、第一に、「バーゼル�」とも呼ばれる新たな国際自己資本比率規制をあげることができる。銀行の自己資本を従来よりも狭義に規定し、普通株式で調達した資本に半ば限定しようとしている。これによって、大手邦銀が相次いで巨額の普通株増資を迫られたことはすでに大きな話題になっている。

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