難治性疾患の克服に全力、新薬を世界同時開発--ノバルティス オンコロジー事業部門プレジデント アーヴェ・オプノー

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難治性疾患の克服に全力、新薬を世界同時開発--ノバルティス オンコロジー事業部門プレジデント アーヴェ・オプノー

世界有数の製薬企業ノバルティス(スイス)は、がん治療薬で世界第2位の売上高を誇る。同社のがん治療薬の中で売上高が最大の分子標的治療薬グリベック(一般名イマチニブ)は慢性骨髄性白血病の治療を根本から変えた“伝説の薬”として知られる。経口薬グリベックの服用で、慢性骨髄性白血病患者の生存年数は飛躍的に長くなり、慢性骨髄性白血病は不治の病ではなくなった。また、グリベックの登場により、体への負担が重く、多額の費用がかかる骨髄移植の必要性が少なくなり、移植件数は激減した。

そして、ノバルティスが新たに開発したタシグナ(一般名ニロチニブ)は、早期の慢性骨髄性白血病患者を対象とする臨床試験で、分子遺伝的寛解など有効性に関するすべての評価項目において、グリベックを上回る治療成績を上げた。

腎細胞がんでは、新しい作用機序を持つ分子標的治療薬アフィニトール(一般名エベロリムス)を開発。2009年に米国、欧州およびスイスで承認・発売された後、今年1月には日本でも根治切除不能または転移性の腎細胞がんで承認を取得。4月16日に発売された。

ノバルティスでオンコロジー(がん領域)部門のプレジデントを務めるアーヴェ・オプノー氏に、業界をリードするがん治療薬の開発戦略について聞いた。

--がん領域がノバルティスの高成長をリードしています。

2009年のがん領域の売上高は90億米ドルに達し、現地通貨ベースでは14%の伸びを記録した。当社にとって最大の事業領域となっている。今年はアフィニトールが日本でも承認・発売となり、大きな期待感を持っている。アフィニトールの開発で特筆すべきは、欧米で承認・発売されてから1年も置かずに日本でも承認・発売にこぎ着けたという点だ。ドラッグラグの解消は製薬企業の責任であり、当社はこの点で社会に貢献していると自負している。

アフィニトールの最初の適応症は腎細胞がんだが、現在、神経内分泌腫瘍や乳がん、胃がんなど五つのがんに関して国際共同治験(フェーズ�試験)が進められており、日本もすべての試験に参加している。そのうち、アジア人で患者数が多い胃がんでは、日本で行われたフェーズ�試験で安全性や有効性が確認された後、国際共同治験(フェーズ�試験)に移行した。

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