難治性疾患の克服に全力、新薬を世界同時開発--ノバルティス オンコロジー事業部門プレジデント アーヴェ・オプノー

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--アフィニトールの製品化では、全社を挙げた取り組みがなされたと聞きます。開発のスピードを高めるために、どのような努力をしていますか。

当社グループの中には、グローバルな戦略を練るグループがある。ここでは、新薬がどのような適応症を狙い、どのような用量を用い、どのような薬との併用療法が適しているのかについて検討する。そして、治験のプロトコル(実施計画書)の作成に携わっている。

プロトコルがいったん固まると、実際の治験に入る。治験を行う医療機関の選定や患者のリクルートを行うために、世界30カ国に所在するがん領域専門のチームが活動する。このようなグローバルでの開発体制を敷いているため、ほとんどすべての製品開発プロジェクトは、世界規模で進めることができる。また、製品の開発ポートフォリオも首尾一貫しており、矛盾はない。

難治性の疾患に画期的な新薬を投入

--現在、がん領域は製薬企業にとって、開発競争の最前線です。開発のパイプライン(新薬候補)を充実させるために、大型のM&Aが盛んに行われています。ノバルティスのがん領域はその必要性はありませんか。

私どものパイプラインは、その数と深さという点で卓越していると自負している。今すぐにどこかの企業を買収する必要性は感じていない。これまで、主要な新薬は自社で開発を進めてきた。グリベック、タシグナ、ゾメタ、エクジェイド、そしてアフィニトール。これらはみな社内での開発品だ。

それとともに、大学や治験担当医師、政府、患者とのネットワークは強固だ。特に希少疾患では、患者の強いネットワークがある。患者との強い連携が開発の成功にとって大きなカギになる。

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