自民伸び悩んだ都議会選、健在なり!「小池劇場」 与党の都民ファーストは第1党うかがう大健闘
首都東京の政治の枠組みを決める都議会議員選挙が7月4日、投開票された。4年前に惨敗した自民党が第1党の座を奪還したが、議席数は伸び悩み、候補者全員が当選した政権与党・公明党との合計でも目標の過半数に届かなかった。
一方、小池百合子都知事を支える地域政党・都民ファ―ストの会は予想を超える粘りをみせ、自民とわずか2議席差の第2党。選挙協力した共産、立憲民主はそろって議席を伸ばし、都議会での影響力を拡大した。
都議選で自民は「事実上の敗北」
告示前の情勢調査などで「自民圧勝・都民ファ惨敗」との予測を覆す結果となったのは、東京でのコロナ感染再拡大と東京五輪・パラリンピック開催への都民の不安や不満が原因とみられる。特に、五輪の有観客開催に突き進んだ菅義偉首相への批判や反発が、自民の伸び悩みにつながったのは否定できない。
同時に、告示直前に過労で入院したが、選挙終盤で公務に復帰した小池知事の動向も有権者の投票行動に影響を与えたのは間違いない。小池氏は3日の最終日に都民ファ候補の応援に駆け付ける「サプライズ演出」を行い、「小池マジック」の健在ぶりも見せつけた。
五輪開催に向け、菅首相は8日の政府対策本部で東京など首都圏に発令中のまん延防止等重点措置を1カ月程度延長することを決断。その直後にも国際オリンピック委員会(IOC)や五輪組織委員会などとの5者協議で「一部無観客開催」を決めるとみられている。
しかし、今回の都民の審判を受けて「安全・安心の五輪開催」を繰り返す菅首相への批判拡大は避けられない。自民党内では「都議選は事実上の敗北」(選対幹部)として、次期衆院選への危機感を募らす議員も多い。今後の政局の展開次第では菅政権が窮地に追い込まれる可能性も少なくない。
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