自民伸び悩んだ都議会選、健在なり!「小池劇場」 与党の都民ファーストは第1党うかがう大健闘
今回の都議選(定数127)は5日未明に全議席が確定した。選挙結果は自民33(改選前25)、都民ファ31(同46)、公明23(同23)、共産19(同18)、立憲民主15(同7)、維新1(同1)、生活者ネットワーク1(同1)、無所属4(同5)だった。
自民は第1党を奪還したが、当初想定していた50議席超の圧勝から程遠く、過去2番目に少ない議席数にとどまった。公明の山口那津男代表が「奇跡的な達成」と喜んだ自公合計の議席過半数には8議席も足りなかった。
都民ファーストは第1党を争い、大健闘
これとは対照的に、前回都議選で小池旋風に乗って55議席獲得と大勝した都民ファは、その後の党内分裂などで党勢が急低下。事前情勢調査では1桁台の惨敗も予測されたが、自民と第1党を争う31議席と予想をはるかに上回る健闘ぶりを見せた。
また、次期衆院選もにらんで一部選挙区などで共闘関係を構築した共産、立憲両党は、共産が1議席、立憲が8議席を上積み。両党幹部は「衆院選勝利への手がかりをつかめた」(立憲幹部)と胸を張った。
一方、首都圏での勢力拡大を狙った維新は、改選前と同じ1議席にとどまり、「東京の壁の厚さを思い知らされた結果」(幹部)となった。国政で主要野党の一角である国民民主は議席を獲得できず、衆院選への不安が拡大した。
選挙結果に影響があるとして注目された投票率は前回を8.89ポイント下回る42.39%で、過去2番目の低投票率だった。この点、「都政での争点に乏しく、しかもコロナ禍での外出自粛が有権者の投票意欲を削いだ結果」(都選管関係者)との指摘もある。
コロナ感染と五輪開催に都民の注目が集まる中、都議選をめぐるメディアの報道量も前回とは様変わりの少なさだった。選挙戦終盤には神奈川、静岡両県での集中豪雨による大規模土砂崩れなどが発生し、テレビ各局が選挙戦最終日の模様をほとんど報道しなかったことが、「低投票率の最大の原因」(選挙アナリスト)との見方も多い。
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