リノベる、中古マンションのリノベで急成長 若年層向けマンション改修でのし上がる風雲児
中古マンションのリノベーションを手掛ける企業は他にも多数ある。最近は三井不動産や三菱地所などの大手デベロッパーも事業を本格化している。ただ、これら大手の会社とリノベるとでは、ビジネスモデルが大きく異なる。従来の不動産会社は中古マンションを買い取り、それをリノベーション後に販売することで“利ざや”を稼ぐビジネス。これに対してリノベるは、物件を顧客に紹介し、そこで商談がまとまれば工事を請け負い、工事代金などを徴収する、“手数料”ビジネスなのだ。
顧客の約95%はインターネット経由でリノベるのホームページにアクセスしてくる。顧客は同社が毎週実施するセミナーに参加し、ショールームで商談に入る、という流れ。このプロセスにおけるリノベるの強みは大きく3つある。
1つ目は手ごろな価格の物件情報を数多く持っていること。全国200社もの不動産業者と提携、そこから情報提供を受けている。
不動産情報を扱う仲介業者は、販売価格に連動した手数料を得ているので、どうしても価格の高い物件を売りたがる。その反面、築20年以上、リフォーム(簡単な改装工事)が一度も実施されていない、といった物件は販売価格が安いために、仲介業者が扱いたがらない。
顧客の平均年齢34歳、年収600万円
リノベるの場合、こうした市場に出回りにくい中古マンションの情報を得て、その中で管理が行き届き、リノベーションに適した物件を顧客に紹介する。同社の顧客は平均年齢34歳、平均世帯数2.1人、平均年収600万円。マンションの広さとしては70平方メートル以下のものを求める傾向にある。200社もの提携先から情報を得ることで、中心となる顧客のニーズに沿った物件を数多く提案できる、というわけだ。リノベるは工事代金などを収入源としているので、物件価格の高い安いは、基本的には自社の収益に関係ない。
そして2つ目はシンプルでわかりやすいセミオーダー制を採用していることだ。約50社の設計・施工業者や建材メーカーと連携しており、顧客は幅広いラインナップから壁や床などの材質、間取りを、システムに沿って簡潔に決めていくことができる。リノベるの白崎達也経営企画部長は「ビンテージ感ある、家具ブランド『ジャーナルスタンダードファニチャー』を扱うアパレル会社と提携するなど、今後もいろんな業態の方とつながっていく」と説明する。
強みの3つめは物件探しや設計・施工と同時にセットでローンの提案もできることである。都銀や地銀など23行と提携しているため、物件の購入費用とリノベーションの費用を合算した専用ローンを顧客に紹介できる。
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