リノベる、中古マンションのリノベで急成長 若年層向けマンション改修でのし上がる風雲児

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「独自のビジネスモデルがあるだけでなく露出の仕方もうまい」と、同業他社はリノベるを評する。山下社長自身がテレビ番組に出演するだけでなく、雑誌や新聞の企画などにも積極的に応じる。費用のかかる広告・宣伝活動はWebに特化し、そこでターゲットを明確にしたマーケティングを展開している。

この6月にはヤフーと事業提携した。「ヤフー不動産」内に施工事例やリノベーションの基礎知識などのコンテンツを提供している。国内最大のポータルサイトと手を組んだことで知名度がさらに上がった。

「私はあんたに騙されたわ」――。山下社長は今も胸に突き刺さるこの言葉を起業の動機のひとつとして挙げる。

起業の動機は「騙された」の言葉

「中古マンションを利用できれば、無理に新築を建てる必要はない、と思った」(山下社長)

中学から大学までラグビーの選手として活躍、その能力が認められて、強豪の社会人チームを持つ企業に就職した。が、実力は「ぜんぜんダメ」(山下社長)。レギュラー選手との壁は高く、1年で挫折して退職した。

次の職場はゼネコンの関西拠点で、そこでは土地の仕入れを担当。マンションの用地を確保するために、オーナーに立ち退き交渉をすることもしばしばあった。ある高齢の女性とは通院に付き添うなど献身的に接し、交渉に交渉を重ね、ようやく立ち退いてもらった。しかしその女性が、かつての自分の土地に建った新しいマンションを見上げてつぶやいたのは、前述した恨みの言葉だった。このときから山下社長は、「中古の建物を利用できれば、無理に新築マンションを建てる必要もないのではないか」という思いが宿ったという。

そしてゼネコンを退職後、カフェやインテリアのデザイン会社を立ち上げると同時に、工務店などのアルバイトを兼務していたところに、個人宅のデザインも舞い込むようになる。やがて2010年にリノベるを創業するに至った。

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