また、「就活仲間が作りづらい」「学校内で先輩の話を聞く機会がなくなった」「同じ会社を受けている就活生との横のつながりが気薄になった」などの不安から、過度にSNSでの情報収集に頼り企業研究や選考対策を進める傾向もみられた。
オンラインで気軽さが増した分、裏を返せば、企業理解をする機会をセッティングしてもらいやすい状況でもある。複数社の内定を取得している学生の多くは、発信元のわからない情報を頼るのではなく、チャット機能をうまく活用して説明会で疑問点を解消したり、社員との面談を設定してもらうなど、意図的に1次情報を収集する機会を作っている。
後悔しない就活をするための”心構え”
コロナ禍において、急速に進んだ、就職活動のオンライン化。そこで重要視されるのが学生と企業の「相互理解」である。
ボタン1つでつながることができるオンラインツールによって、学生と企業との距離は確実に近づいた。一方で、「画面越し」という制約がある以上、お互いが伝える情報量を意図的に増やさない限り相互理解が進みにくいのも事実だ。
就活生には、まず表面的な自己PRではなく、これまで体験してきた経験を棚卸しし、自身の大切にしている価値観や、将来どのような仕事に携わりたいのか、じっくり内省することを大切にしてほしい。相互理解のためには、まず自己理解が重要だ。そして、言葉にして誰かに伝える準備ができたら、家族や身近な友人に聞いてもらいフィードバックをもらうのもいいかもしれない。
企業研究においては、「この企業で働きたい」と自分自身が納得して語れるようになるまで、情報収集をすること。社員に話を聞く機会を作ってもよいし、あえて他企業の選考に参加し比較するという方法もある。オンライン就活における「気軽さ」は時に情報過多も生み出すが、目的を持った情報収集においてはその利点を大いに発揮する。
就活生と企業がお互いを「理解したつもり」になって、入社したあと「やっぱり違った」というミスマッチを生まないためにも、オンライン化のメリットを生かしつつ、学生と企業双方が丁寧なコミュニケーションを取っていくことが今後も求められるだろう。
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