携帯契約者数、「月次発表中止」の波紋 <動画>ますます販売競争が激化する可能性

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月次の契約数を発表をしなければ、競争は緩和されるって本当?

従来、携帯電話の契約数は月次ベースで、翌月には発表されていた。ところが、総務省が管轄する電気通信事業者協会(TCA)は2014年4月以降は月次ではなく四半期ごとに発表する方式へと変更することを決めた。

「成熟期に入ったことで、毎月の契約数公表の意義が薄れた」という理由のほか、「月次で公表を行っていることが過当競争を招いている」との理由だ。

実際、2014年3月は、他社からの乗り換えでアップル「iPhone5s」を販売する際などに、過大なキャッシュバックキャンペーンが行われた。総務省は、この状態を問題視したようだ。

四半期にすれば、より激しい競争に?

が、本当に発表方法を変えることで、何かが変わるのだろうか。夏野氏は、むしろ3カ月ごとの発表になったら、より競争は激化すると読む。最初の2カ月で負けてしまった会社が、後れを取り戻すために最後の1カ月(3月、6月、9月、12月)で激しい販促を行う、というわけだ。

そして、そもそも「発表方法の変更」で市場をコントロールしようとする手法の問題点を指摘する。 

この企画は週刊『夏野総研』とのコラボレーションにより運営しています。
 

 

夏野 剛 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授

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なつの・たけし

早稲田大学政治経済学部卒業、東京ガス入社。米ペンシルベニア大学経営大学院ウォートンスクール卒(経営学修士)。NTTドコモでiモードの立ち上げに参画。執行役員マルチメディアサービス部長を務め、08年に退社。現在は慶應義塾大学政策メディア研究科特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、DLE、GREEの取締役を兼任。経産省所轄の未踏IT人材発掘・育成事業の統括プロジェクトマネージャー現任。ダボス会議で知られるWorld Economic Forum の“Global Agenda Council”メンバーでもある。


 

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