小此木氏、「横浜市長選出馬」の複雑怪奇な舞台裏 横浜へのカジノ誘致反対で菅首相に反旗か

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現在3期目の林文子横浜市長はIR推進派として4選出馬にも意欲をにじませてきたが、自民党は多選を理由に出馬しても支援しない構え。一方、IR誘致反対の立憲民主党は小此木氏の出馬表明を受けて、6月29日に市長選立候補を目指す横浜市立大の山中竹春教授(48)の推薦を決定。山中氏は「カジノよりもコロナ」と決意表明した。

市長選にはこのほか、横浜市議の太田正孝氏(75)と動物保護団体代表理事の藤村晃子氏(48)、元衆院議員の福田峰之氏(57)がそれぞれ無所属での出馬を表明している。

選挙戦は小此木氏が圧倒的有利に

林市長の対応はなお不透明だが、小此木氏の出馬でIR誘致の可否は市長選の最大の争点ではなくなることが確実だ。「横浜の顔の1人」で自民党有力者の小此木氏を自公両党が支援する構図となれば、「小此木氏が圧倒的有利となる」(地元関係者)とみられている。   

そもそも、「自民党が林市長に代わるIR推進派の候補を擁立しても、苦戦必至」(同)とみられていた。東京五輪・パラリンピックの最中で、次期衆院選直前の8月下旬の市長選で小此木氏が当選すれば、菅政権への政治的打撃は避けられる。だからこそ菅首相も「あえて小此木氏を止めなかった」(周辺)とされる。

しかし、小此木氏が当選すれば、菅首相の肝いりで進められてきた横浜港へのIR誘致は頓挫する。自民党内でも「側近の反乱で目玉政策の放棄を余儀なくされれば、菅首相の求心力低下は避けられない」(閣僚経験者)との声も広がる。

今回の小此木氏出馬の裏には、「ハマのドン」として横浜港へのIR誘致反対の急先鋒である藤木幸夫・藤木企業会長の影もちらつく。藤木氏は彦三郎氏の盟友で、小此木氏ともツーカーの仲だ。藤木氏は菅首相の最大の支援者だったが、「IR誘致をめぐって関係が悪化した」(関係者)とされる。

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