「住宅資材のエコ化は待ったなし」--大建工業・澤木良次社長が激白、パナソニック電工との提携の狙い
--提携により、エコ素材化を加速するという考えですね。
床材におけるシェアを、当社とパナソニック電工で合わせると3割以上になりますから、スケールメリットがあります。
それと、両社が提携することは、生産面での補完にもなります。当社は素材から製造して、製品をつくるという経営方針です。パナソニック電工は素材製造を手がけていませんが、加工技術が素晴らしいですから。
社内では提携に猛反対
--提携の経緯は?
いまから1年半ほど前に、我々のお客さんであるパナソニック電工のもとに、当社の役員があいさつに行きました。これがスタートでした。
その半年後ぐらいに、電工の畑中浩一社長と私が大阪の梅田で食事をしました。そこで、「ひとつ方向を決めていきますか」という話になった。
--となると、提携発表までに1年間かかったことになります。
社内ですごい反対が出ましたから。お互いに。役員会でもけっこう反対が出ましたよ。販売先のお客さんであると同時に、別の側面ではライバル会社ですもん。床材などの現場では、徹底的に戦っているわけですから。また、部材調達の共通化などを実施すれば、いまのお取引先に(契約終結などを)お伝えしなければならない。これはいやな仕事ですからね。
でも、これらを実行していかないと、会社の発展はありません。また、提携でエコ化が促進できれば、世の中の役にも立ちます。木造住宅を1戸建てて、それを解体後燃やさなければ、CO2の排出が約5トンも抑制することができます」