JR西日本に残る103系の中で、鉄道ファンから大きな注目を集めているのが、吹田総合車両所奈良支所に所属する8両(4両編成×2本)だ。このうち先頭車の4両は、1973年に山手線用として製造された車両で、翌年に関西へ“引っ越し”してきたという過去を持つ。
その際、いったん東海道・山陽本線用の水色に塗り替えられたが、奈良電車区へやってきた1985年に山手線と同じ黄緑色に復帰。現在は前面に白帯が入り、窓周りの印象も変わっているものの、製造時の雰囲気を比較的よく残している。
【2021年6月30日15時30分追記】車両の運用について上記のように修正しました。
レトロな空気漂う車内
車内に入ると、そこにはさらにレトロな空気が漂っていた。ロングシートの端にある仕切りは、最近の車両で見られる大型のものではなく、金属パイプを組み合わせた簡易なもの。座席は平らで1人ごとのくぼみがなく、数人おきに区切る手すりなどもない。文字通り、網状になっている頭上の網棚や2段式の窓も懐かしい。さらに、天井には扇風機まで残っていた。今や、扇風機がある車両というのも都会では“絶滅危惧種”だ。
JR西日本「103系」
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103系の車内。金属パイプの袖仕切りがいかにも
国鉄の電車といった雰囲気だ(撮影:伊原薫)
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網棚や大きな角形のスピーカーが懐かしい
(撮影:伊原薫)
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かつては首都圏でも見られたスタイルだ
(撮影:伊原薫)
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客室窓は上半分が開けられる。この形のツマミも今や貴重だ
(撮影:伊原薫)
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平べったいロングシート。戸袋にあった窓は改造で
埋め込まれた(撮影:伊原薫)
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床のモーター点検口などが製造時のまま残る
(撮影:伊原薫)
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天井に残された扇風機。もちろん夏場はフル稼働する
(撮影:伊原薫)
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103系の乗務員室。現在の車両よりかなり狭い
(撮影:伊原薫)
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ハンドルは2つに分かれている。ブレーキハンドルは
取り外した状態だ(撮影:伊原薫)
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スイッチや機器類がびっしり配置されている
(撮影:伊原薫)
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運転席にはアナログ式のメーターが並ぶ
(撮影:伊原薫)
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運転席にはアナログ式のメーターが並ぶ
(撮影:伊原薫)
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運転席上の扇風機には国鉄を表すJNRロゴが残っていた
(撮影:伊原薫)
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前面や側面の行先表示幕を動かす機器。
右のダイヤルで操作する(撮影:伊原薫)
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黄緑色の車体の前面には白帯が入っている
(撮影:伊原薫)
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前面窓の周囲が銀色に光る
(撮影:伊原薫)
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奈良線の車両基地で205系(左)と並ぶ
(撮影:伊原薫)
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普段の運用では見られない「みやこ路快速」の行先幕
(撮影:伊原薫)
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前面に貫通扉が設置されイメージがまったく異なる
加古川線用の103系(撮影:伊原薫)
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鮮やかな赤色に塗られた播但線用の103系
(撮影:伊原薫)
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スカイブルー塗装の和田岬支線用103系。
唯一の6両編成を組む(撮影:伊原薫)
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かつて大阪環状線でも活躍。323系(左)に置き換えられ
2017年に引退した(撮影:伊原薫)
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大阪環状線から引退した日には記念のセレモニーも
実施された(撮影:伊原薫)
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