東京圏外へ移住で「最大100万円」賢く使う支援金 複雑だけどしっかり押さえたい支援の中身
「移住支援金」の概要は前ページの表のとおりですが、それぞれ細かな要件があります。
とくに、移住先での“就業等”に関しては、地域の中小企業などへの就業や地域で社会的起業などを実施するといったこれまでの要件に加えて、2021年の転入者からは、東京の企業に勤めたままでのテレワークによる移住や、プロフェッショナル人材事業を通じた移住なども、新たに支給対象とする地方公共団体が増えています。
適用の有無や適用開始月は地方公共団体によって異なるため、興味がある方は調べてみると良いでしょう。
内閣官房・内閣府総合サイトや各都道府県・市区町村の移住等に関する総合的な窓口での情報収集もおすすめです。
家を手に入れるなら住宅ローンもチェック
移住する際に、住まいをどうするかの計画を早めに練っておくことはけっこう重要です。はっきりいえば、家を借りるのであれば、あまり気にしなくても大丈夫ですが、“移住に合わせて購入したい”という希望がある場合は要注意です。移住のタイミングでは住宅ローンの借り入れが難しかったり、資金計画に数十~数百万円もの差が生じたりすることがあるからです。
例えば、移住先の都道府県の求人に応募したり自分で起業したりして、前述の移住支援金を手にする形での移住は、それまでの仕事を辞めることになります。つまり、それまでの“勤続年数”は白紙に戻ります。住宅ローン審査では“勤続年数”を重視する金融機関が多いため(参照:「転職したい人が見落とす『住宅ローン』のリスク」)、普通に考えれば、移住してすぐの住宅ローンの借り入れは本来なら非常に難しいと考えられます。
もしも、移住のタイミングで家を買いたいなら、全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】を視野に入れておくのがおすすめです。【フラット35】には「地方移住支援型」や「地域連携型」など、地方移住者などの物件購入・住宅建築時の融資に積極的に取り組む金利引下げメニューがあるからです。条件を満たせば【フラット35 S】や【フラット35】のリノベーションによる金利引き下げと併用することも可能です。
ただし、利用にあたっては留意点がいくつかあります。まず、自分の住むつもりの住居の住所地が、対象地域にあるかどうかの確認は重要です。
例えば、「地方移住支援型」は、移住支援金の交付を受けられる場合にフラット35の金利が当初10年間、年0.3%引き下げられるというものですが、取り扱いの有無および「移住支援金の交付決定通知書」の交付を受けるための条件については、各地方公共団体への確認が重要です。
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