日本人が知らない「日焼け止め」の意外な「危険性」 シャンプー、洗顔料、医薬品を選ぶ時の注意点
ドラッグストアで買えるアボベンゾン入りのサンブロックを、紫外線と塩素消毒されたプールの水で実験したところ、アボベンゾンは、肝臓や腎臓の障害、神経系障害、がんを引き起こすことがわかっている化学物質に変化したという論文がある。
それが、実験に参加した被験者の皮膚で起きていたのである。
このほか、オキシベンゾンという化学物質は、内分泌攪乱物質の恐れがある。私たちは毎年夏が来るたびに、こうしたサンブロックをからだにたっぷりと塗り込んでいるのだ。
パラベンのように、アボベンゾンやオキシベンゾンも、皮膚から血液中に簡単に吸収される。ある論文によれば、サンブロックを用法通りにからだ全体に塗ったあと、さらに塗り直したところ、これらの化合物の血中濃度が跳ね上がったという。
アメリカ食品医薬品局が定める「毒性学的懸念の閾値」――それ以下では有害な影響が現れないとする許容摂取量――を、はるかに超える血中濃度だった。
薬や化粧品は、必ず成分を確認しよう
とはいえ、あらゆる化学物質を完全に避けようとするのは不可能に近い。大切なのは知識を得て、適切に選ぶことだ。
からだの痛みに対して、NSAIDを長期にわたって服用するのはおすすめしない。穏やかな筋肉痛や痛みには、クルクミン(ウコンの根茎に含まれる黄色い色素)や、オメガ3系脂肪酸のEPAを摂取して乗り切ろう。どちらも抗炎症効果があるが、NSAIDに伴うような副作用はない。
日焼け止めには、酸化亜鉛を使ったサンスクリーン(紫外線を減らす)を使おう。皮膚と日光とのあいだに、化学的なバリアではなく物理的なバリアをつくってくれる。
アボベンゾン、オキシベンゾン、オクトクリレン、エカムスルを含むサンブロック(紫外線をブロックする)はできるだけ避けよう。これらは日焼け止めだけでなく、リップクリームや口紅にも使われている。必ず成分を確認してから選ぶようにしよう。
(構成:笹幸恵)
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