パート年収「130万/106万円の壁」重要な最新事情 ワクチン接種業務は対象外、2022年改定控える
実は今回の特例より前から、社会保険の扶養の認定要件となる年収の扱いには“コロナ対応”がありました。コロナ関連の繁忙が原因での年収増加は、一時的なものとして扶養認定には影響させないこととされているのです。
こちらは医療従事者に限ったものではなく、業種にかかわらずすべての被扶養者が対象です。社会保険の扶養の認定は年1回、扶養する側(多くは夫)の勤務先が、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等をもとに行います。これらの資料をもとに今後1年間の収入の見込みを判断します。
つまりもともと、年収が130万円以上になった時点ですぐに扶養から外れるわけではありません。また、見込額の算定や判断基準は扶養する側(夫)の勤務先によるため一概にはいえませんが、認定時期の直近3カ月の月収を1年分に換算した金額を重視されることが多いようです。このため、コロナ禍での一時的な残業やシフト増でパート収入が急増すると、扶養から外れるのを心配する人が出てきます。
しかしそのような場合にも、昇給して時給が上がった、雇用契約上で恒久的に勤務時間を増やしたようなケースでなければ、年収の見込みが130万円以上になっても扶養認定は取り消されないのが基本です。また、一時的な事情で結果的に年収が130万円以上になっても、その年度の初めにさかのぼって扶養認定を取り消されることはありません。
そもそも扶養の認定は毎年行われる
こうした取り扱いはコロナ以前からの原則ですが、コロナの影響が広がった昨年来、国が扶養認定を行う各企業に改めて周知しています。
そもそも扶養の認定は毎年行われるので、仮に残業や繁忙期で年収が増えて扶養から外れてしまっても、次の年に再び扶養に入れる余地はあります。年収が高くなった理由が明らかに一時的な原因だったことや、次の年の収入は130万円以下になる見込みがあるなどを証明できればいいのです。
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