パート年収「130万/106万円の壁」重要な最新事情

ワクチン接種業務は対象外、2022年改定控える

扶養に入ってパートで働いている方々に少なからずの影響があるかもしれません(写真:zon/PIXTA)
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現役世代への接種も徐々に始まり、全国で進むコロナワクチン接種。不足する医療従事者の人手確保策として6月初めに設けられたのが、おもにパートをする主婦の扶養制度の特例です。社会保険の扶養に入れる要件である年収「130万円の壁」において、ワクチン接種業務で得る収入は年収に算入しないこととするものです。一時的とはいえ前代未聞ともいえるこの特別措置は、“130万円ありき”でパートをしていた人にとって、収入やキャリアへの考えを大きく変えるきっかけになると予感させます。

ワクチン接種業務の収入は年収130万円の壁の対象外

社会保険(年金・健康保険)の扶養は、会社員や公務員の人(多くのケースでは夫)の配偶者(おもに妻)が年収130万円未満の場合に、夫の勤務先の社会保険に「被扶養者」として加入できるものです。被扶養者になると、保険料の負担なく、夫の勤務先から健康保険の保険証が発行され、公的年金も65歳以降に受け取ることができます。年収が130万円以上になると被扶養者になれないため、「130万円の壁」といわれています。

今回設けられた特例は、扶養に入っている人が医療職として新型コロナワクチンの接種業務に従事した場合に、その分の収入を扶養認定の年収には含まないとするものです。仮にワクチン接種業務をしたことによって年収が130万円以上になっても、扶養から外れないということです。

扶養に入っている中で、ワクチン接種業務に従事する方々の社会保険料負担の増加を敬遠したいという心理抵抗を下げる措置が採られています(写真:Kiyoshi Ota/Bloomberg)

対象になるのは医師、歯科医師、看護師、薬剤師などの資格があり、ワクチン接種会場や医療機関でワクチンの注射や予診、調整業務を行った際の収入です。期間限定の措置で、今年の4月から2022年2月までのワクチン接種業務に対する収入のみ、扶養認定の際に年収にカウントしなくてよいことになりました。

特別措置が設けられた背景には、ワクチン接種の従事者が大量に必要な状況下で、働きたくても130万円の壁がネックになって働けない医療職が多数いると見込まれたことがあります。かつて看護師などとして働いていたものの現在は専業主婦をしている人や、年収を抑えてパートをしている人が、扶養から外れるのを気にせずにワクチン接種会場で働けるようにすることで、少しでも人手を確保できるようにするのが狙いのようです。

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