42歳パート妻「コロナ解雇」で身にしみる格差 「年収100万円程度」の働き方はお得ではない
コロナショックによって収入の減少に直面している方も少なくありません。ファイナンシャルプランナーの筆者のもとにも「パートの職を失いました……」という主婦がいらっしゃいました。今後家計をどう立て直していくのかというご相談かと思ったのですが、どうも関心ごとはそれだけではありません。
ご相談者は、42歳。お子さんが中学に入った昨年の4月からパートの仕事を始めましたが、コロナの影響で解雇されたというのです。職場はデイサービスだったのですが、感染拡大を心配して高齢者の利用が少なくなり、業務を縮小するためにパートは全員辞めさせられたとのことです。
「実は昨年9月、職場から正社員にならないかという打診があったんです。そのとき、私と一緒にパートを始めたもう1人の方は申し出を受けられたのですが、私はお断りしたんです。今回、私は辞めさせられましたが、その方は今も働いています。パートのままでいいとお断りしたのですが、私も社員になっておけばよかった……。本当に今さらなのですが、パートって立場が弱いですし、結果的に損をしてしまったのではと悔やまれるのです」
「正社員で年収200万円」の打診を蹴ったパート主婦
お子さんが小さいうちは、家庭を守ることが最優先。そのように考える方は少なくありません。ご相談者も「同じです」と言います。しかし、お子さんが成長し、中学に入ると塾代などの教育費も増えたので、少しでも家計の足しにと働き始めたそうです。
夫の扶養の範囲で働くパート主婦は、年収を100万円程度に調整する場合が多いです。なぜなら、このくらいの年収であれば、自身が社会保険に加入する必要はありませんし、税金の支払いもありません。したがって100万円ほどの収入にとどめておくほうが「お得」だと、今回のご相談者も思っていました。
昨年、正社員にならないかと打診された際、年収200万円(賞与があればもう少しアップ)を提示されたそうです。それを断ったのは、先輩のパート主婦に「税金と社会保険料を引かれると、『働き損』になる」と言われたからでした。
しかし、本当に損をすることになるのでしょうか?
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