アフリカを侮る日本人が知らない超激変のリアル 貧しいだけの地域だと思っていたら大間違い
ケニアでは、SIMベースでケータイ普及率は113%(2019年)。日本と同様に、ケニアにもガラケーとスマホの両持ちや、複数キャリアを使っている人が大勢いる。「通話はA社、データはB社」というように、安いほうで使い分けているからだ。
しかもプリペイドだから基本料金がなく、使う分だけチャージしておけばいい。そして、そんなプリペイドケータイのおかげで、モバイルマネーサービス(チャージした通話料を人に送れる/決済できるサービス)がブレイクした。
アフリカと東南アジアはほぼ互角
中国・インド・東南アジアの成長が注目されている近年は、「アジアの時代が訪れた」というような論調を目にする機会も多い。しかしその一方、アフリカ諸国については(少なくとも日本では)「内戦」「難民」「飢餓」「スラム」というような旧来的なイメージがいまだ強い。
もちろん、農村を中心に貧しい人が多いのは事実だろう。だが都市化は確実に進み、着実な経済発展を遂げている国はアフリカに少なくないようだ。
そればかりか、産業構造の変化も始まってきている。ケニアやエチオピアはまだ第1次産業の従事者が54%、60%だが、南アフリカでは5%程度。その一方、第3次産業は72%もあるのだという。これは、日本よりも高い数字だ。
本書を読む限りアフリカの人々は、「インフラが整っていないなら、いまある環境の中で最良の結果を得よう。そしてそこから、さらに前へ進もう」と考え、工夫するような柔軟性を持っているように思える。
中盤以降では急成長期にあるアフリカの先端技術の現状、巨大市場としての可能性の大きさなどが克明に解説されていくが、つい引き込まれてしまうのは、アフリカの“リアル”がこちらの想像をはるかに超えたものであるからにほかならない。
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