アフリカを侮る日本人が知らない超激変のリアル 貧しいだけの地域だと思っていたら大間違い

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そんな椿氏によれば、アフリカでは日本以上に先進テクノロジーが浸透している領域もあるのだという。リープフロッグ(蛙跳び)イノベーション(Leapfrog Innovation)と呼ばれることもあり、「固定電話を飛び越えていきなりスマートフォンになった」というような話がゴロゴロしているようなのである。

いずれにせよ、そんなことも含め、本書を読み進めていくと「そうだったのか」と新鮮な驚きを感じることが多い。

「猛烈な暑さ」「砂漠」などのイメージがあるが実際は?

たとえば、なにより意外なのが気候だ。冒頭でも触れたとおり、アフリカには「ジャングル」「猛烈な暑さ」「砂漠」などのイメージがつきものだ。しかし現実的には、住みづらいジャングルや、雨が少ない砂漠だけに人が住んでいるということではない。

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ジャングルや砂漠を取り囲むように住んでいるわけで、そこは「ステップ」「サバンナ」などと呼ばれる。確かにそのとおりで、アフリカはわれわれの想像よりもはるかに大きいのだ。

アフリカの東西南北の長さを確認してみると、南北は約8000km、東西で約7400kmあるという。東京からアメリカ・シアトルまでの距離が7687kmで、東京からアラブ首長国連邦のドバイまでが7935kmなので、つまりアフリカの南北のほうが長いことになる。

しかも広大なアフリカ大陸のうち、人が住んでいるのは3分の1程度のエリア。砂漠が広がるマリやニジェール、リビア、アルジェリアなどの国々は、住める場所が少ないためとても人口が少ないのだとか。

人が多く住んでいるのは、北部のナイル川河口があるエジプトや地中海沿岸地域と、西部のナイジェリアやガーナ、カメルーンやコートジボワールなどの大西洋に面したエリア。ナイジェリアは、2億人とアフリカ最大の人口を誇る。

東部のケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア、エチオピアにも多くの人が暮らす。南部の南アフリカ共和国にしてもそうで、観光地としても知られるケープタウンは温帯で快適。日本やオーストラリアに近い気候なのだそうだ。

マカデミアナッツ農園のあるルワンダへ頻繁に足を運ぶ椿氏は、「赤道直下ですし、さぞや暑いのでしょうね」と聞かれることが多いというが、実際にはまったく違うようだ。

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