統合失調症は「一生苦しむ病気」と思う人の勘違い 時代を経て「コントロールできる病」に変化した

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統合失調症の症状として有名なのは、「幻覚」と「妄想」です。そこにいない人の声が聞こえるのが幻聴で、自分の悪口が言われている、あるいは嫌がらせを受けていると感じるのが被害妄想です。さらに、話の脈絡がなくなり、混乱する(思考障害)などの症状も見られます。

また、重要な特徴として「病識がない」というものが挙げられます。そのため、第三者から「あなたの言っていることは幻聴か、空耳じゃない」と言われても、「絶対に聞こえている!」と憤るケースも見られます。

「幻聴」というと、ぼやっとした声が聞こえてくるイメージですが、実際の患者にとっては現実と区別できない「ハッキリとした声」が聞こえてくるものなのです。

統合失調症になってしまったらどうする?

この病気は思春期から20代に発症することが多く、40歳を超えると発症率は減ります。もし10代後半から30代前半の若い人で、幻覚や妄想の症状が発現したら、一度メンタルクリニックに相談してみることを推奨します。

前述したように早期に治療を開始すればするほど、寛解する可能性は高くなります。また、外来治療だけでも良くなるケースも多いです。

統合失調症が疑われても、その前段階の「妄想性障害」のような類縁疾患の場合もあります。その場合は、統合失調症のように長期の通院が必要ない場合も多いのです。

もし幻覚や妄想があるのに長期に放置してしまうと、その症状が固定し、治りづらい状態になります。症状はさらに悪化し、入院が必要になる人もいます。

とにかく統合失調症が疑われたら、できるだけ早く精神科を受診し、治療を開始すること。それが一番です。

樺沢 紫苑 精神科医、作家

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かばさわ しおん / Shion Kabasawa

1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴの イリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。SNS、メールマガジン、YouTubeなどで累計40万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝え、「日本一、情報発信する医師」として活動している。『学びを結果に変える アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)、『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』(大和書房)など著書多数。

 

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