時短に根拠なし?宣言解除でも募る飲食店の不安 営業制限は継続、東京都の時短要請は200日超え

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飲食に関わる18の業界団体は6月10日に緊急記者会見を開き、窮状を訴えた(写真:食文化を未来につなぐ飲食アライアンス)

「行政は『規制を緩和してあげた』とでも思っているのだろうが、飲食業の実態を何も分かっていないのではないか」。ある総合居酒屋チェーンの幹部は、そう憤りをあらわにする。

6月17日、菅義偉首相は東京など10都道府県で発令されている緊急事態宣言について、沖縄県を除いて6月20日で解除することを表明した。東京・大阪をはじめとする7都道府県は、6月21日より「まん延防止等重点措置」へと移行する。

同措置が取られる自治体では、飲食店に引き続き20時までの時間短縮営業を要請。注目を集めた酒類については、換気・消毒などの対策を取った店舗で19時まで提供可能とするが、各知事の判断でさらに制限を設けることができる。

東京都は、2人以下および90分以内の利用などの条件を満たせば、酒類の提供を認める方針だ。他の自治体も「4人以下・90分以内の滞在時間」(神奈川県)などと独自の要件を設定。これに対し、「厳しい条件をクリアしたところで、酒類はほとんど顧客のいない19時までしか提供できない。それなら店を開けても商売にならない」(冒頭の幹部)などと反発の声が上がる。

「外食崩壊寸前」で緊急会見

東京都の飲食店に対する時短要請は昨年11月28日から続き、すでに200日を超えた。頼みの綱であるはずの「協力金」は支給が追いつかず、飲食店経営者らの不安と不満が増している。東京都の場合、3月8日~3月31日分の協力金の支給がいまだ完了せず、4月12日以降の協力金は申請受付すらされていない(6月17日時点)。

「外食崩壊寸前」――。6月10日、飲食に関わる18の業界団体はそう題した緊急記者会見を開き、飲食店の取引先への支援拡充、アメリカのような大規模な支援策の必要性などを訴えた。

登壇者らがとりわけ強調したのが、「エビデンス(証拠)に基づいた飲食店政策の徹底」だ。飲食店が主要な感染源とは言い切れないなどとして、業界内では行政による規制の根拠を疑問視する声が以前からあった。

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