時短に根拠なし?宣言解除でも募る飲食店の不安 営業制限は継続、東京都の時短要請は200日超え

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例えば東京都の場合、手指消毒など20のチェックポイントを満たせば、「感染防止徹底点検済証」が交付される。感染対策の普及・強化とともに、顧客にとっては「感染対策を講じている店」という安心感にもつながるだろう。

ただ、消費者の間で第三者認証の存在はまだ広く認知されていない。現段階で飲食店にとって認証を受けるメリットは、東京都であれば都のホームページ上で認証を受けた店舗として地図に店名が掲載される程度だ。

「感染症対策を徹底している飲食店については規制を緩和すべき」と訴える、日本飲食未来の会の山下代表理事(記者撮影)

まん延防止等重点措置に移行する都道府県では、酒類提供を解禁する要件として第三者認証の取得を挙げる自治体もある。それでも19時以降の酒類提供や20時以降の営業が許されるわけではない。

「(見回りなどで)第三者認証を通れば、それだけ感染対策をできている証。なのに(一律の)時短営業のままでは"認証"の意味がないのではないか」(山下氏)

大手すら資金繰りが厳しい状況に

「昨年は多くの飲食店が借り入れを行ったが、コロナが長期化し、返済のメドが立たなくなってきている店も多い」。山下氏は外食の窮状をそう指摘する。

実際、足元では居酒屋企業を中心に大手でも経営状況が一段と悪化している。

居酒屋大手・鳥貴族ホールディングスの今年5月の既存店売上高は、コロナ前の2019年の同月比で95%減と、昨年5月(同87.9%減)をさらに下回った。同じく居酒屋大手のワタミは、日本政策投資銀行から120億円の出資を受けると5月に発表。中堅居酒屋チェーンのテンアライドも6月、日本政策投資銀行からの15億円の調達に加え、商工中金などから借り入れを行うことを明らかにした。

時短要請や酒類提供自粛の期間が延びるほど、資金繰りに窮した飲食店などが通常営業に踏み切る動きも増えている。宣言が解除されてもなお、多くの飲食関係者にとって経済的・精神的な打撃から回復する日は遠そうだ。

中尾 謙介 東洋経済 記者

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なかお・けんすけ

1998年大阪府生まれ。現在は「会社四季報」編集部に在籍しつつ水産業界を担当。辛い四季報校了を終えた後に食べる「すし」が世界で1番美味しい。好きなネタはウニとカワハギ。

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