社長が「会社売却」を真剣に考える、よくある5理由 その「一世一代の決断」は「会社」を救えるか?
最後は、オーナー社長が純粋に会社の発展や従業員の将来を考えたときに、自分が経営を続けるよりも、「よりよい環境、よりよい経営者のもとで会社および社員の成長を目指すべきであると考え、売却に至る」ケースです。
資本力があり、大企業の顧客基盤をもつグループに入ることで、より大きな仕事をすることを望んで、経営権を譲渡してグループ入りすることもあります。
また、個人商店から従業員が徐々に増えてきて、「企業」に脱皮する過程において、自分の手には負えないと感じて、「しっかりとした会社に経営を任せたい」といって譲渡を望む経営者もいます。
これは後継者がいない、お金がほしい、また業績の不安があるというのが売却の主因ではありません。先代社長から経営を引き継いだ2代目(以降)の社長がこのような判断をする傾向があります。
この場合、いつまでに売却しなければならないということはないので、必ずしも売却ありきではなく、あくまでいい相手先があれば、売却、経営統合を検討するということもあります。
「最後までわからない」のがM&Aの世界
中小企業のオーナー社長が会社を売却する理由は本記事で紹介した5つに大別されますが、売却理由は完全にどれかひとつに分類できないことも多くあり、2~3の理由が合わさっていることもよくあります。
売却にはさまざまな理由がありますが、売り手にとって自らの会社を売却するということは「一生に一度あるかないかのこと」であり、よくよく考えたうえでの決断です。しかし、売り手と買い手が出会い、相思相愛になったとしても、売り手は「感情的な問題」で、売却をとりやめることがあり、「最後までどうなるかわからないのがM&Aの世界」です。
したがって、M&Aを進めていく中で、買い手としては、売り手のオーナー社長の感情に配慮した交渉や対応(断るときでも)が求められるのが、M&Aの世界なのです。
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