マックを襲う"チキン・ショック"の衝撃度 カサノバ社長のメニュー戦略はどうなる?

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カサノバ社長は経営戦略説明会でファミリー客の取り込み策を披露した(今祥雄)

カサノバ社長は2月の経営戦略説明会で、ファミリー客を重視する方針を明確にした。

ナゲットは子供からの人気が高い「ハッピーセット」のコアメニューの1つ。ハッピーセットは年間1億個も販売するマクドナルドの看板商品で、4月にメニューを入れる容器を子供が好みそうなデザインに一新したばかりだ。

「例年、マクドナルドの稼ぎ時は家族連れが増える7~8月の夏休み期間。家族客がたくさん訪れるタイミングでの問題発覚で客足が遠のく懸念もある」(野村証券の繁村京一郎シニアアナリスト)

チキンメニュー全体へ風評拡大も

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チキンメニューの相次ぐ投入は女性客を意識した施策だった(撮影:大塚一仁)

影響が懸念されるもう1つのターゲットが女性客だ。これまでの期間限定メニューはビーフが中心だったが、1~3月の限定商品ではビーフとチキンの2種類を展開した。

昨年末の商品発表会で、カサノバ社長は「期間限定商品を拡充する際は、チキンなどを使用して女性など幅広いお客様の嗜好に応えていきたい」と強調していた。このとき使用した鶏肉は問題が発覚した工場で加工されたものではないが、チキンを使ったメニュー全般に風評が広がることも懸念される。

そもそも、マクドナルドの業績は苦戦が続いている。既存店売上高は2月以降、前年同月比で5カ月連続のマイナス。客数に至っては昨年5月以降、14カ月も前年割れが続く。

7月23日にはタイや中国の他工場から代替調達のメドが立ち、全店でナゲットの販売を再開したが、チキンメニューに対する不安が消費者に広がれば、メニュー戦略の修正も必要になる。今回の事態を受けて、カサノバ社長の苦悩は一段と長引くことになりそうだ。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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