松屋はなぜ"プレミアム牛丼"で勝負するのか キーワードは「米国産牛肉の輸入規制緩和」
値上げの「吉野家」(並盛で税込み価格280円→300円)、値下げの「すき家」(同280円→270円)。4月の消費増税に伴って大手2社が価格戦略を見直す中、増税分の転嫁(同280円→290円)にとどめていたのが、牛丼業界3位の「松屋」だった。それが一転、吉野家を大きく上回る値上げを打ち出した。
松屋をチェーン展開する松屋フーズは、7月22日午前10時から「プレミアム牛めし」の販売を開始する。価格は380円。まずは286店で導入し、7月末までに関東1都6県を中心とした621店に展開を拡大する。
プレミアム牛めしの発売に伴い、従来の「牛めし」(290円)は販売を終了する。つまり、今回の新商品発売は、事実上の値上げを意味している。ただし、松屋フーズの緑川源治社長は「価格だけを見ると値上げだが、(これまでの牛めしとは)まったく別物」と強調する。
フローズン肉からチルド肉へ
何がこれまでの牛めしと異なるのか。最大のポイントは、牛丼の“顔”ともいうべき牛肉である。従来はフローズン(冷凍保存した)牛肉を使用していたが、今回の新商品ではチルド(低温保存した)牛肉を使っている。
当然ながら、冷凍したものより品質管理は難しくなる。そのため、物流過程から店舗での保存、調理方法まで、仕入れから商品提供に至るすべての行程を大幅に刷新した。その自信の表れか、「究極の牛めし。40年この仕事をしているが、こんなにおいしい牛めしは食べたことがない」と、緑川社長の鼻息は荒い。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら