東武桐生線、地方路線が秘める「都心直通」の底力 のどかな風景の中を浅草発着の特急が駆ける

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「桐生線ではこれがメイン、というようなものはなかなかないんですけど、やはり1つは温泉街もある藪塚ですよね。あとは新桐生駅が桐生線の中では中心ということになります」

こう話してくれたのは、東武鉄道太田駅管区の副管区長で新桐生駅長を務める木村美徳さん。桐生線は全区間が太田駅管区に含まれており、木村さんがほぼすべての駅を預かっている。

「赤城駅は上毛電鉄さんが管理しておりまして、相老駅にはわたらせ渓谷鉄道さんの職員が常駐しています。ほかに三枚橋駅が桐生線では唯一の無人駅。この3駅以外の駅には、東武の職員がおります」(木村さん)

市中心部は川の向こう側

そして木村さんが“桐生線の中心”と話すのが新桐生駅。

「新桐生駅は桐生市でいうと中心からは少し離れているんですよね。桐生の中心はやはりJR両毛線の桐生駅。その近くに上毛電鉄さんの西桐生駅があります。ウチの新桐生は渡良瀬川が間に流れているので、距離的には少し遠くなってしまうんです」(木村さん)

この話だけを聞くと、新桐生駅の立場がいくらか寂しく感じられてしまう。町の中心から外れた駅は、どうしてもお客が少なく、つまりは寂れてしまいがちだ。それも相手は天下のJRともなると、どうにも分が悪い。ところが、新桐生駅には町の中心から離れているという弱点を補ってあまりある強みを持っている。

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