ドラゴン桜秘伝「自分に合う勉強法」東大生の実例 性格によっては今と真逆のやり方が向くことも

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彼ら彼女らは自分のタイプの弱点を理解していることも多いです。

保全型の人というのは、応用問題が解けなかったり、答えをひらめいたりするタイプの問題が苦手だったりします。なので、それを避けるために、あえて応用問題の部分は先に答えを見たり、ほかの人に教わったりすることで、自分だけでその問題を対処しないようにしていました。

また拡散型の人というのはケアレスミスが多くなりがちです。基本の問題で点数を落として、逆に応用のほうができてしまっている、なんてこともざらです。だから、基本問題の見直しの時間を長く取り、逆に応用問題では見直しはせず攻めの姿勢でガンガン解いていく方式で勉強すると成績が良くなるケースが多いように思います。

弱点を知れば、その弱点をうまくカバーできるように努力をすることにも生かせるでしょう。

指導をする際にも活用できる

さらにいうならば、指導の際にもこの考え方は活用できます。保全型の人は、順番どおりに、細かく指示をしてあげたほうが実践に落とし込みやすいです。やってみせてあげて、丁寧にサポートしてあげたほうが、指導される側が生き生きと勉強をすることができる、なんて実例もあります。

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逆に拡散型の人には、細かく規定されてしまうと逆にやる気が失われてしまうことがあります。自分独自のやり方を追求するタイプなので、逆に細かい指示をもらったりしないほうが、やりやすい場合が多いのです。

ちなみに僕は保全型です。中学生、高校生のときはどんな問題を見ても難しいと感じがちで、あっという間に勉強についていけなくなりました。そこから一念発起して「とにかく最初からやり直そう」と思い、中学1年生の内容まで戻って一から積み上げて勉強すると、成績が上がっていきました。これは、僕が積み上げで勉強したほうが結果が出やすい保全型だったからじゃないかと思っています。

このように、自分の性格にあった勉強をすることを意識することで、結果が出やすくなります。

桜木先生は「時代は変わったんだ」と言うことをよく口にしていますね。昔はスパルタで効果があったわけですが、今は合理的なトレーニング方法が開発されつつありますし、いろんなツールが生まれています。このFFSも、自分のタイプに合わせて勉強するという意味で、今の時代にあったやり方の1つだといえるでしょう。

みなさんもぜひ、意識してみてください!

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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